Weps うち明け話 文:清尾 淳

#861

A面、B面

 ある取材(≠MDP)で「今年のレッズは選手層が厚くなったので、どっちがA面でどっちがB面かわからないくらいの2チームを作って欲しい」と言った人がいて、面白い表現だと思ったので、ほぼそのまま載せた。
 ゲラになった段階で、その媒体を出す会社の担当者から「『A面、B面』ではわかりにくいので、『Aチーム、Bチーム』にしてはどうでしょうか」という問い合わせがあった。Aチーム、Bチームでも意味は変わらないが、面白さが減ってしまうと思い、それでは「『レコードの』A面、B面」としたらどうかと考えた。

 念のため、同じフロアで働く別会社のスタッフたちに聞くと「レコード知りません」と言う。
 知らない? 今はないけど、子どものころ見たことはないのか?
「ありません」
 名前ぐらいは聞いたことあるだろ!
「聞いた気もするけど、どんなものか知りません」
 と30代の男性。
「聞いたこともありません」
 と20代の女性。

 あ然とする僕に、その会社の50代の社長が
「俺とか清尾さんと違って、レコードそのものを知らない世代なんだよ」
 と笑った。
 
 じゃあ、無理か。
 1枚の円盤の片方にヒット曲、または売りたい曲を録音し、反対側にはとりあえず同じ歌手の歌を録音したのが、いわゆるシングルレコード。売れる方をA面、裏をB面と呼んだ。みんなA面を聴きたいからレコード(330円だったな、昔は)を買うのであり、B面は初めから期待もしていなかった。
 たまにはB面の曲がなかなか良い味を出していることもあったが、A面を上回るほどのことはまずなかったと思う。
 今季の浦和レッズは、在籍選手を2つに分けてチームを作っても、どちらがレコードのA面かB面かわからない、という表現は、まさに目玉焼きをひっくり返す、ターンオーバーにふさわしいと思ったのだが、あきらめてAチーム、Bチームにした。

 考えてみれば、27歳になる僕の息子が生まれたときは、レコードの時代はもう終わっていた。親が自宅にレコードプレーヤーを持っていて、いつも聴いている家庭だったら、若い世代でも知っているだろうが、そうでなければ知らなくて当然か。
 ちなみに今のシングルCDは、どうなっているだっけ? C/W=カップリングウィズと書いて、別の曲が入っていることもあれば、同じ曲のアレンジバージョンとか、カラオケバージョンが入っていると記憶しているが、シングルCDを聴かなくなって久しいのでよくわからない。

 さて今季のレッズは、前線3人だけを取ってみても、公式戦7試合で先発が同じ顔ぶれだったことは一度もない。リーグ戦とACLとで結果は極端に違うが、それは出ている選手に起因するわけではなく、相手のクオリティーの違いが大きいと思う。やはりアジア各国の上位チームは強い。
 とは言え、ACLではまるで歯が立たないわけではないのだから、3敗して、グループステージ突破が難しくなったとは言え、2度目の対戦となる次からは成長したレッズを見せて欲しいものだ。それが一皮むけたことになると思うし、Jリーグでトップに立つためにも大事なことだ。

 ところで、今季の公式戦7試合の先発を見ると、ベースのところ(真ん中から後ろ)はほとんど変わらず、左右や前線の顔ぶれが多彩だ。レコードのA面、B面というよりは、やはりCDでアレンジがいろいろ入っているものに似ているのかもしれない。

(2015年3月27日)

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