Weps うち明け話 文:清尾 淳

#870

タイトル

 タイトルという概念を整理しなければいけない。

 #867で、1stステージ優勝について「去年までは単にラップタイムだったものに『優勝』という名前をつけ、タイトルという権威は与えないが賞金はタイトル並みに出る、ということだなと冷静に考えるようになった」と書いた。
 この「タイトルという権威は与えないが」という部分は、勝手に断定したわけではなく、今季の初めに、昨年からずっと「1stステージ1位」とJリーグのホームページに書かれていたものが、いつの間にか「1stステージ優勝」となっていたことについて、Jリーグのスタッフに質問した際、それとは別に「ステージ優勝はタイトルではないですよね?」と確認したところ、「タイトルではないです」と答えていただいたことを受けて、僕はずっとステージ優勝はタイトルではない、と考えていたものだ。

 ところが今回、念のため同じスタッフにメールで再確認したところ「そういう話をしたかどうか、過去のメールを見たが確認できなかった」旨のお返事をいただいた。そりゃそうだ。電話で話しただけだからメールにはないだろう。
 そもそも雑談のように話したことだから、Jリーグ幹部から言質を取った、と声高に言う気はさらさらなく、しっかり文書で確認しておかなかった自分がいけない。

 だから「タイトルという権威は与えない」という部分は訂正しないといけない。
 だが「ステージ優勝はタイトル」と言われたわけでもない。
 今回いただいたお返事を要約すると
・少なくとも過去においては、ステージ優勝、年間優勝に、チャンピオンという言葉が使われていた。ステージ優勝も、歴代チャンピオンの一つとして認識されている。
・今回からは、1stも2ndも「ステージ優勝」であり、英語では「Winners」という表現とする。「チャンピオン」という表現は、最後のチャンピオンシップの優勝者に使う。
・タイトルという言葉は、今年からの新大会方式の大会概要では使用していない。ただ一般的には「ステージ優勝というタイトル」、「Winnersというタイトル」という使い方ができるのではないか。
 
 ということで、タイトルという言葉はJリーグによる規定を気にせず、自由に使用して良さそうだ。
 大会の優勝はすべてタイトルと呼び、適した修飾語を付ければいいのだろう。
 Jリーグ年間優勝、天皇杯、ナビスコ杯は、国内三大タイトルだし、レッズが優勝したニューイヤーカップはフェスティバル形式のタイトルだ。

 明日の第16節。
 レッズが1st優勝したとして、大騒ぎする気はさらさらないが、ことさら無視する必要はなく、決まればもちろん素直に喜ぶし、誰かと乾杯もする。選手や監督には、おめでとうという。
 だが、優勝を懸けた一戦という意識が、明日の神戸戦に悪影響を与えるようなことは避けなければいけない。
 また年間勝点1位を狙うなら、G大阪が勝点を落としての優勝ではなく、レッズが勝点3を積み上げての優勝がベストだ。
 さらに、優勝祝賀ムードが、第17節の新潟戦や2週間後から始まる2ndステージに悪影響を及ぼすことが、最も危険だ。
 1st優勝をタイトルと呼ぼうと呼ぶまいと、それは変わらない。
EXTRA
 ところで今回Jリーグからもらった参考資料は、ホームページにもあるが、「歴代チャンピオン」という題がついていて、1992年からの、Jリーグ主催大会の優勝チームの名前が並んでいる。そこにはナビスコ杯歴代優勝チームの名前もある。そして、あるチームのナビスコ杯優勝写真も掲載されているのだが、そこには大きく「WINNERS」という横看板が置かれているのだ。
 僕の認識では「CHANPIONS」と「WINNERS」には差があるのだが、Jリーグの認識では、どちらも日本語では「チャンピオン」なのだろうか。今回、わざわざステージ優勝は「WINNERS」だよ、と発表しているが、やはりこの「歴代チャンピオン」の欄に刻まれるのだろうか。
 このあたりの用語も整理した方がいいと思うのだが。

(2015年6月19日)

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