Weps うち明け話 文:清尾 淳

#874

20戦目の黒星

 いつか負けるのは仕方がないが、できればホーム連勝のチーム記録(10試合)と、リーグ戦連続無敗のJリーグ記録(21試合)は更新したかった。記録を作るために戦っているのではないが、2015シーズンのレッズを振り返ったときの語り草は多いほどいい。
 でも、開幕からのホーム9連勝はチーム新記録だし、開幕からリーグ戦19試合無敗もJ1新記録だ。「開幕からずーっと勝ってた(負けてなかった)な」という感覚は、記憶として残るだろう。

 いつかは負ける、それが7月19日(日)の広島戦で、試合がああいう内容だったことについて、とらえ方は2通りあるかもしれない。

 2ndステージ優勝に向けてひた走る広島にストップをかけられなかったことは良くないし、年間勝点1位を争う総勝点差も2位の広島と2差となった。尻に火がついた、と言えなくもない。
 また、23本のシュートを放ちながら1点止まりで、後半入ってきた広島の浅野にカウンターから同点ゴールを決められ、逆転弾は警戒していたはずの青山のミドルで奪われたというのも、残念な試合経過だった。リーグ戦7試合ぶりに広島に黒星、というのも悔しい。

 とにかく負けたのだから、良いはずがない。だが、マイナス面ばかりを見ている必要はない。被虐志向があるなら別だが。
 
 短期決戦とは言え2ndステージはまだ3節。広島が1stステージのレッズのように、このまま負けなしで14試合を戦いぬいたら、それはそれで仕方がないが、今の時点で白旗を上げる必要は全くない。
 年間勝点1位争いも同様だ。勝点2差をこのままずっと守っていける保障はないし、どこかで引っくり返されるかもしれないが、今の時点で尻の熱さを感じすぎてドタバタすることはない。いや、ドタバタする方が良くない。

 また内容でいえば、レッズが勝っていてもおかしくない試合だった、というのは単なる強がりではない。広島に「我慢して我慢して、レッズが疲れた後半勝負」というゲームプランがあったとすれば、それが図に当たった形だが、後半の浅野のゴールまで、レッズの得点が1点止まりだったのは、レッズが「外し過ぎた」のであって、広島が守り切ったとは言い難い。
 シュートが決まらないのを運だけのせいにする気はないが、この日のレッズはかなり運に見放されていた。まさか、関根のクロス気味のボールがDFに当たってコースが変わり入ったことで、この試合の運を全部使い果たしてしまったわけでもあるまいに、中盤を制し、縦パスも入り、相手の最終ラインの裏を取り、攻守の切り替えで二次攻撃を仕掛け…と、あれだけやりたい放題やりながら、最後のシュートが枠に飛ばない、あるいはGKの正面を突く、というのは1stステージ17試合で39点を挙げたチームの得点力ではない。

 数多くのチャンスを作りながら点が入らずに負けるのと、チャンスをあまり作れずに必然的に点も取れないで負けるのとでは、どっちが悔しいか、と言われれば迷うが、感情的なことを抜きにすれば、前者の方が今後への希望が持てることは間違いない。レッズの場合は、希望が持てるというより、これまで積み上げてきたサッカーをしっかりできていた、ということだ。フィニッシュ以外は。

 ホームorアウェイのステージだから、この日失った勝点を広島から取り返す機会はもうない。この第3節で払った授業料は残り14試合で生かすしかない。だがレッズがすでに出場を確定しているチャンピオンシップに広島が絡んでくる可能性は高い。そこでの対戦で、利子をつけて返してもらおう。

「こういう日もある」と言ってもいいだろう。「負けはしたが、チャンスを多く作っていたから、悲観する結果ではない」という言い方も間違っていない。
 だが何度も言うわけにはいかない。それを証明するのは次のアウェイ名古屋戦だ。

EXTRA
 ところで攻撃に関して運が良くなかったのは間違いないと思うが、2つの失点は不運だけでは片付けられない。
 後半22分の1失点目は、カウンターからだが、クリアボールを最もレッズの選手が薄いエリアに出されたことで、それまでしっかりできていたファーストディフェンスに行けなかった。だが下がって備えるのと同時に、誰か1人でもボールホルダーに寄れなかったか、と今にして思う。
 2失点目にしても、ドリブルした浅野のシュートは何とか阻止したが、そのこぼれ球に寄る選手が誰もいなかった。ボールがこぼれた場所と、青山が上がってくるタイミングがぴったりだったことがレッズにとって不運だったが、やはり誰か詰めて欲しかった。
 酷な動きを要求しているように思うが、今季のレッズはボールへの寄せを怠らないことで失点を防いでいる。同時に疲れてくると、それが甘くなってくることも事実だ。
 特に今の時期は周りからの声かけと個人の自覚を強めて、試合が終わるまでボールへの執着心を持ち続けて、不運を失点に結び付けない努力をして欲しい。

(2015年7月24日)

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