Weps うち明け話 文:清尾 淳

#884

もっと

 まず広島のホテルをキャンセルする。飛行機は料金の支払期限通知をスルー。レンタカーも予約してあったから解約する。
 12月5日(土)に関することを処理し、2日(水)に出るはずだったMDPの製作関係者に、あらためて断りとお詫びをメールする。
 そして12月のカレンダーに書かれた予定を消していく。

 こんなに「カレンダーが真っ白」という状態は久しぶりだ。
 12月は試合が詰まっている(はずだ)から、と入れられないでいた仕事や、こういう時期でないとできない作業ができる環境になった。その段取りをしなくてはならないが、すぐには身体と頭が動かない。
 忙しいときにはできなかった仕事以外のことをやる時間がたっぷりできたのだが、それもなかなか気が進まない。すごく宙ぶらりんな3日間が過ぎた。もちろん何もしないで72時間ボーッとしていたわけではないのだが、レッズの練習も休み、MDPもない、という状態は自分の中に芯が通っていない感じだ。

 今季も、リーグ優勝に近づきながらできなかった理由は、いろんな人が論じている。解説者はそれが仕事だから、その人なりの理由を言葉にする。大原でも埼スタでも、ほとんど姿を見たことがないからテレビでしかレッズを見ないであろう人でも、もっともな解説を述べているから、さすがに専門家は大したものだと思う。
 レッズしか見てきていない僕は、レッズが優勝できなかった理由を述べよ、と言われれば「この4年間で最も強くなったと思うが、いかなる状況でも勝てるほどにはなっていなかった」と言うしかない。
「いかなる状況でも勝てる」というのは、決定率を上げることだったり、選手の変更によるチーム力の低下を防ぐために全体の底上げを図ることだったり、試合の後半になってもクオリティーを落とさないように体力をつけることだったり、得点した後は一段と守備の意識を強くすることだったり、といろいろあるが、いずれにしてもこれまで積み上げてきたことを「もっと」やるしかないわけで、僕に「優勝できなかった理由」を尋ねると「優勝するためにどうするか」という話になってしまう。
 あの試合のこのシーンで、と挙げ出せばキリがない。
 CS準決勝のG大阪戦で言えば、後半終了間際の武藤のヘディングが、延長後半のG大阪のバックパスが、とすぐに思い浮かぶ。そもそも広島と1分け1敗という成績が1分けか1勝1敗になっていれば準決勝はなかったのだし、そうなりそうな分岐点も2つの試合にはあった。
 だけど、総合して言えば「もっと」やるしかない、のだ。

 それを具体的にどうしていくのかは、選手それぞれによって違うだろうし、監督が何を重視しているかによって違ってくる。
 6日(日)から練習が再開するが、目の前のMDPのための忙しい取材ではなく、来年に向けての「もっと」のために、じっくり聞いていこうかと思う。
 もちろん12月中旬を過ぎたら、天皇杯に向けての話になる。
 リーグ優勝にここまで近づきながら獲れず、「じゃ次、天皇杯」と簡単に切り替えはできなかったが、このインターバルは、こと今季に関して言えばプラスではないか。選手の休養ということを考えれば来季が心配な部分もあるが、26日まで試合が残っているのはレッズだけではない。元日まで試合があったとしても、休みは2週間程度で始動、ということでやらなければならないだろう。
 天皇杯では、来季のための準備―「もっと」をどこまでやれたかも試されるのだから。

 ところで頭から抜けていたが、日付を入れる段になって気づいた。
 今日は12月2日(水)か。
 19時半から何をするかな。

(2015年12月2日)

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