Weps うち明け話 文:清尾 淳

#886

彼女たちのプライド

 あけましておめでとうございます。

 元日に、多くの人に新年の挨拶ができる天皇杯の決勝は良いものだ。
 もちろん、そのことで満足するはずもなく、終わった後にもっと良い挨拶ができるような決勝にしなければならないのだが、それは叶わなかった。2015シーズンの国内大会は、富士ゼロックススーパーカップでG大阪に敗れ、天皇杯でG大阪に敗れて終わった。
 そのトップチームの昨シーズンのことについては、また回を改めて書きたい。

 今は、第19回全日本女子ユース(U−18)選手権の最中で、レッズレディースユースが現在ベスト4に進んでいる。浦和レッズというクラブとしては、これが2015シーズン最後の全国大会となる。
 この時期は毎年、大阪の堺に来ている。以前、大会がグループリーグを経て4チームの決勝トーナメントという方式だったときは、準決勝から取材していたが、16チームの一発トーナメントという方式になってからは、初戦から来るようにしている。
 レッズレディースは、3日の1回戦、4日の2回戦を勝ち抜き、明日の準決勝を待っている。今日は休養日だ。

 この大会では6年前の2010年1月に行われた第13回大会で、浦和レッズジュニアユースレディースとして優勝している。その後、2年間は関東予選で敗れ、第16回大会から前回まで3年連続出場しているが、3位、準優勝、準優勝と、タイトルは奪還していない。3回とも準決勝あるいは決勝で日テレ・メニーナに負けた。ちなみにメニーナは2010年度からこの大会5連覇を続けている。女王と言っていい。いや、U−18だから王女か?
 
 3年連続でレディースユースがメニーナに敗れるところを見てきたわけで、今年こそはと毎回思ってきたが叶わなかった。
 今回は、これまで以上に優勝を強く願っている。その理由はこういうことだ。
 今季のレディースの高校3年生たちは、2011年にレッズがレディースの育成部門を、中学2年以下のジュニアユースと、中学3年から高校3年までのユースに分けた年に中学2年生だった。つまり新体制のレディースジュニアユース一期生というわけだ。
 彼女たちは、その2011年の第16回全日本女子ユース(U−15)選手権で優勝している。浦和レッズとしては大会4連覇だったが、U−14チームで挑戦して初めての全国大会で優勝したのだから、快挙として言ってよかった。だが彼女たち一期生は、それから今季まで全国優勝を味わっていない。男子より全国大会が少ないので仕方のない部分もあるが、今回の全日本女子ユース(U−18)選手権が最後のチャンスとなる。

 現在8人が在籍している高校3年生のうち半数の4人が来季レッズレディースに昇格する。育成という観点から言えば、クラブが4年前に始めた改革は、まずまずの成果を収めつつあるということになる。現在高校2年生の長野風花がすでにレディースでプレーしていることも、そのことを示しているが、来季以降、昇格した彼女たちがなでしこリーグで活躍して、大きな成果であることを証明して欲しい。

 だが今回の大会では、彼女たち自身のプライドのために優勝を勝ち取って欲しいのだ。今の高校3年生たちは、中学3年生になるとジュニアユースを卒業し、ユースの一員として活動してきた。すぐに公式戦に起用された選手もいる。すなわち4年という長い間、浦和レッズレディースユースでプレーしてきたのだが、その分、悔しい思いも何度となくしてきた、と言える。この全日本女子ユース(U−18)選手で3度敗れてきた選手もいるはずだ。

 明日の準決勝の相手はセレッソ大阪堺ガールズ。たしか、レッズレディースジュニアユースが優勝した4年前の第16回全日本女子ユース(U−15)でC大阪レディースU−15が3位になっているが、当時そのチームも中学2年生以下で構成された新しいチームだったと記憶している。その選手が現在高校3年生でプレーしているとすれば、レッズレディースユースと同様の経験を持った選手たちが多いことになる。
 プライドとプライドのぶつかり合いとなる試合になるかもしれない。
 そんな試合を新年から取材することができて光栄だ。

(2016年1月5日)

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