Weps うち明け話 文:清尾 淳

#890

今のうちに振り返る・その3

 記者席から試合を見ていて、立ち上がりから良い攻撃が続いてなかなか点が取れないと、だんだん焦れてくる。
 いつか取れるだろうとは思っているが、過去にはそう思いながら試合が進み、最後に事故的に失点して負けてしまうという試合があったことを思うと一抹の不安もなくはない。
 そんなときに先制点がレッズに入るとホッとする。こういう展開でリードしたのだから、とりあえず負けはないだろう、と。1−0で逃げ切る気などは毛頭なく、さあこれからドバドバ入るぞ、という思いさえ浮かんでくる。そして、たとえ同点にされても、僕は「これだけ良い攻撃ができているんだから、きっと勝ち越せるさ」と試合を見て思っていた。
 そんなの、僕だけでしたか?

 見ている者とピッチで戦っている者は違う。
 選手たちは先制した後、少しホッとして、それまで我慢のメカニズム100でやっていたのが、90とか95になってしまう。好連係による攻撃が続いた末にゴールを奪った後ほど、その落差は大きいのではないか。
 そして2点目、3点目を奪う前に同点にされてしまうと、0−0のときのような集中力と緊張感にはすぐに戻れない。さらに、試合開始からしばらくは「いつか(点が)入るさ」という余裕が良い攻撃を続ける背景になっていたのが、同点の後で勝ち越し点が取れない時間が続くと「どうして入らないんだろう」というあせりになって、ミスが増えていく。
 そうやって先制したのに引き分けてしまったのが、2ndステージの甲府戦、鳥栖戦、川崎F戦であり、逆転までされてしまったのが広島戦だ。引き分けた3試合のうち2つ勝っていたら、あるいは逆転負けした広島戦をせめて引き分けに終わっていれば、年間勝点で広島を上回っていた。
 実にもったいない「タラレバ」だった。

 年末、「得点した後の少しの気の緩み」を振り返る選手も少なからずいた。
 好連係による攻撃ができ、そこで得点したからこそのマイナス面、というのは何とも皮肉だが、昨季は後半まで0−0だった10試合のうち失点したのは鹿島戦の1試合だけで、それもオウンゴールによるもの、という事実と比べれば、そこは改善すべき点だと言える。多くの選手が自覚していれば今季の改善に期待できるだろう。
 0−0での我慢や0−1の我慢はかなりチームに根付いてきた。今季は、リードしてからの我慢が注目のポイントになりそうだ。 

 そして、もう一つ。
 レッズが勝負どころで勝てない、ということについてはどうか。
 ここが解決されないと、ノックアウト方式のナビスコ杯や天皇杯はもちろんのこと、18チームによる8か月以上の長い予選リーグを行い、最後に2〜5チームでノックアウト方式のチャンピオンシップを行うという形に変化したJ1リーグでの優勝は難しいということになる。
 その理由を分析できるほどの力は、僕にはない。また感想みたいな仮説を書き連ねるだけになるが、そこも避けてはいられない。
 ただし、誤解のないようによく推敲したいので、来週までお待ちを。

(2016年1月22日)

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