Weps うち明け話 文:清尾 淳

#899

3試合で得たもの

 意義深い4月の3試合だった。
 まず1日の甲府戦。
「取りこぼし」という表現は、傲慢な匂いがして好きではないが、世間はそう言う。甲府はそれを逆手に取って、引き分け上等の守備的戦術を採る。相手は勝点1で十分。レッズはホームで勝点3がノルマ。その立場の差が心理的不利を招く。
 こちらは昨季までのホーム3試合すべてドローという事実を見つめ直し、チームとサポーターが心を一つにして難敵の攻略にじっくり取り組んだ。そして文字どおり相手の守りをこじ開けた。

 5日は広州恒大戦。
 選手は「甲府より戦いやすい」と言ったが、決して「勝ちやすい」わけではない。3年前にホームで勝利したときとは向こうの「勝たなければいけない度」がまったく違う。もちろんレッズも星勘定に余裕はなく真っ向勝負になった。
 19時半開始は勤め人に厳しい。選手紹介のころはまだ空席が目立つ北のゴール裏だったが、いつの間にぎっしり。発表は3万超え。数だけではなく、この相手には絶対に必要な強い一体感を醸し出していた。
 たしかに中国人サポーターも多く、無料配布された“なんちゃってレプリカ”を着てビジタースタンドを埋めていたが、平日で当日券3千枚完売は驚異。これまで禁断だった料金値下げ(前売り料金に据え置き)も影響があっただろうが、それよりも「この大一番、俺がいないと」と駆け付けた仲間たちが多かったに違いない。
 試合は「これぞサッカー」と誰もが感激するベストバウトの末、1−0の勝利。ベストマッチの呼び声も高い。あくまで残り試合次第ではあるが、GS突破に大きく前進した。この勝利は大きな自信となる。

 そして横浜FM戦。
 首位攻防の要素もある上位対決。しかも3連勝同士の激突。昨季はレッズがこの地で大敗。
 煽り文句には事欠かなかった。
 始まったら、最近この対戦では見ないハーフコートゲーム。前半が終わって、怖いのはレッズの攻め疲れか、と思っていたら、後半やはり来た。昨季までなら快足カウンターにやられていたかもしれない。しかし盤石の対応で無失点。他に危ないシーンは作らせず、磨きのかかったリスク管理に感心した。無得点ドローは悔しいが、そこかしこに成長が見られたし、攻めるサッカーの矜持はしっかりと守った。

 レッズは幅を広げている。磐田に負け、横浜FMから点を取れなかったなど改善すべき部分はあるが、これまで進んできた方向が正しいことを、あらためて確認した4月の3試合だった。
 引き籠もった相手との試合はつまらないように思える。だが、攻守の切り替えは冴えているか、連係の精度は上がっているか、そしてこの相手からどう点を取るか、そこに着目すれば実に面白いはずだ。

 そして、どんなにチームが成長しても欠かせないことが2つある。
 選手が全力を出すこと。いくら強くなっても楽して勝てるほどJリーグは甘くない。
 そしてサポーターがチームと心を一つにして闘うこと。レッズの強みが100パーセント生かされるときだ。
 ここ3試合で得た経験を大事にし、明日も、じっくり、しっかり、闘いたい。

EXTRA
 何かMDPのコラムみたいじゃないか、と思った人。すごいです。わかってくれてありがたいです。
 明日の仙台戦のMDP用に書いたのですが、改稿してこっちに載せました。もちろん明日のMDPには、違うものが載ってます。
 ああ、それにしても3点以上が見たい。

(2016年4月15日)

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