Weps うち明け話 文:清尾 淳

#906

タイトル獲得後の試合

 10月16日(日)に浦和駒場スタジアムで行われた、浦和レッズOB対ザ・ミイラの際に、地元の市会議員さん(だと思う)が、クラブの関係者に前日のルヴァンカップ優勝のお祝いを言っていたが、その際「これであと、リーグ戦と天皇杯獲ったら三冠だからね」と言っていた。

 まあ、そのとおりなんだけど、フルマラソンを40km地点まで走って「ゴールまであと少し」みたいに聞こえて、そんなに簡単に言うなよ、と思った。だが、それだけみんな期待してくれているということだし、今季国内三冠が可能なのは浦和レッズだけ、というのは間違いない。
「三冠」を口にしていいのは俺たちだけ、というのはいいもんだ。麻雀で、三元牌(白發中)のどれかを自分が鳴いているとき(暗刻で持っていても)、「大三元の可能性があるのは俺だけだぞ」と思うようなものだが、それよりはるかに気持ちが良い。

 だが、道は簡単ではない。
 22日(土)から再開するリーグ戦残り3試合を全勝しなければ年間勝点1位になれないかもしれないし、年間勝点1位がやはりリーグチャンピオンへのへの王道だ。そして天皇杯は、まず4回戦で川崎Fという難敵を破らなければならない。
 試合数で言うと、最少でも9試合。そのほとんどを勝たなくてはならない。8月31日(水)のルヴァンカップ準々決勝第1戦から、先日の同決勝まで9連勝しているから、できなくはないはずだが、トータルすると公式戦18連勝となり、そう思うとちょっと遠大な感じがする。
 リーグ戦3連勝、天皇杯1試合、チャンピオンシップ2試合、天皇杯3試合。この4つの戦いに全部勝っていく、という構えで臨みたい。

 話は少しそれる。
 準々決勝、準決勝とも第1戦アウェイで2−1の勝利。そしてホームの第2戦では先制し、前半のうちに2点目を取った。さらに余裕を持って後半を迎え、相手に点を与えないまま、神戸には後半15分、F東京には後半8分に、トドメと言うべき3点目を挙げた。残りの30分間、あるいは37分間で4点を失うことは、ほとんどあり得ない。わずかに感じた懸念は、準決勝第2戦、レッズが3人目の交代をした後半22分以降、万が一、大谷が何かで2回目の警告を受け退場になったら、ということだった。
 そんなわけで、準決勝第2戦が終わったとき、「こんな感動の薄い決勝進出は初めてかも」という感覚になった。そういう言い方は戦った選手たちとサポーターと、神戸、F東京にも失礼だとわかっているが、過去5回に比べて簡単に感じてしまったのは仕方がない。

 だが決勝は違った。90分と延長の30分、ドキドキし通しだった。PK戦で、最後のキッカー、遠藤がボールをセットしたとき、僕はかぶっていた帽子の角度を調整し、ひさしでボールからゴールまでのコースだけが視界に入るようにして見ていた。主審の笛が鳴り、ボールがネットに吸い込まれたとき、多くの関係者・サポーターと同じように、大声を出しガッツポーズした。ここまで我を忘れたのは、この大会を通じて初めてだった。

 話を戻す。
 03年は、決勝の5日後にあった東京Vとのリーグ戦に5−1で大勝。2ndステージ首位に躍り出た。まさにナビスコ杯初優勝の勢いがリーグ戦でも発揮されたと言っていいだろう。だが、その後清水戦、名古屋戦に連敗し、優勝の可能性は消えてしまった。この理由については、よくわからない。流れから行けばステージ初優勝も確実だと思っていたのだが。
 今季はすでに2ndステージと年間勝点でトップに立っているが、まだ確定ではない。前述したように他チームの成績に関わりなく年間勝点1位になるには、3連勝が必要だ。過去にも優勝を経験している選手が少なくないから、全員が初優勝だった13年前とは違うかもしれないが、ミシャ監督にタイトルを、という願いが何年越しかで実現したというメンタル状態が、直後の試合にどう影響するか。さらに新潟、磐田の残留争いの力も無視できない。「いつもどおり」という今季のキーワードに戻ることができれば大丈夫だとは思うが、相変わらずそれが最も難しそうな戦いが続く。

 これからは、勝利の瞬間、大声でガッツポーズする試合が毎回続いて欲しい。

(2016年10月20日)

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