Weps うち明け話 文:清尾 淳

#920

このメンバーの意味

 2年前のACLグループステージ第6戦は5月5日、アウェイのブリスベン・ロアー戦。レッズは第5戦でグループステージ敗退が決まっており、いわゆる「消化試合」だった。
 だが「消化試合」というのは、その大会の主催者から見た言い方であり、当該チームにとってみれば、大会で勝ち進む可能性が消えた瞬間に、残り試合は別のものに変化する。それまであまり出番のなかった選手が公式戦で自分のプレーをアピールし、その後のリーグ戦に絡んでいく足がかりとなるのだ。特に相手のブリスベンは大量得点すれば、グループステージ突破の可能性が残っており「本気度」も高いはずだった。

 試合の前日練習に励むレッズの顔ぶれには公式戦シーズン初帯同の選手もおり、逆に言えば、それまで公式戦ほぼ全てにベンチ入りしていて、このときに帯同していない選手が7人いた。
 試合は2−1でレッズがブリスベン・ロアーに勝った。この試合が、その後のチームと個人にどういう影響を与えたのか、実際に検証するのは難しいが、たとえばケガのため3月22日のJリーグ広島戦を最後に欠場していた興梠が、久しぶりに先発し先制点を挙げたことは、この5日後にアウェイで行われた仙台戦で2得点したことと無関係とは思えない。選手それぞれに得たもの、得られなかったものはあっただろうが、那須がよく言うように「無駄な試合なんて一つもない」はずだ。

 きょう5月10日(水)に、ソウルワールドカップスタジアムで行われるACLグループステージ第6戦。前日練習の顔ぶれから“逆算”すると、いつもの帯同メンバーで浦和に残っているのは9人ということになる。2年前と比べても著しい“ターンオーバー”となりそうだが、あのときとは状況が違う。
 相手のFCソウルは2年前のレッズ同様、グループステージ敗退が決まっているが、レッズは逆に突破を決め、第6戦に最終順位を懸けている。グループ1位を目指すレッズにとっては消化試合ではない。18人の選手たちは、自分がアピールする機会を与えられたのと同時に、勝たなくてはいけない使命も負っている。
 これにはJリーグの状況も影響しているだろう。先日思わぬ連敗で首位を明け渡したレッズは、14日(日)に待っている第11節新潟戦で勝利が強く求められる。開幕からの連戦で疲労が見え、故障がちの選手たちを、万全の状態に戻して新潟に送り出したい。FCソウル戦にも新潟にも勝つために、最良のバランスを取った選手の振り分け。チームで戦う、というのはこういうことだと思う。

 FCソウルがどんなメンバーで臨んでくるのかまったくわからないが、普通に考えれば14日にKリーグを控えていることもあり、リーグ戦のレギュラーメンバーとは違う顔ぶれだろう。だからといって与し易し、とは限らない。貴重なチャンスを得た選手のモチベーションはレッズと同様に高いだろうし、何より彼らが地元で日本のチームと対戦するときの闘争心は折り紙付きだ。おそらく2年前のブリスベン・ロアーよりも、やっかいな相手ではないか。それだけにレッズの選手たちがどんな戦いを見せてくれるか、楽しみでならない。

(2017年5月10日)

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