Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#105
空気
 え、前回更新日2月19日!あ、でも週1更新としては1週間抜けただけか。
 と自分に甘いことを言ってはいけない。ちょっと気を張ると、このありさまである。気を張ってたんじゃなくて、気を抜いてたんだろうって?うん、このコラムを中心に考えるとその通りだが、自分中心に言えば、ゼロックス前から今までずーっと気の張り通しだった。
 指宿キャンプの途中で帰ってきて、2月23日のMDP・EXTRA発行、翌日のゼロックス杯が終わると1週間でJリーグ開幕。3月3日には48ページに増量したMDPを出して、一昨日の7日はACL初戦。日曜日の新潟戦はアウェイだけど、来週の土曜日はまたホームゲームでMDP296号が待っている。
 俺はこんなに仕事してるんだぞ!というようで嫌だが、ホントにホントにムチャクチャな忙しさで気の張りっぱなしである。自分がいろんな媒体に文章を書かせてもらう原点である「さいしんコラム」のことは片時も忘れることはないが、物理的に余裕がなかったし、余裕がないときに書いても、面白くない。
 じゃ今は余裕があるのかと言えば、防虫缶有り…、それじゃフマキラーだ。忙中閑有り、といったところ。さすがに2週間は空けられないから、頑張ろう。

 てな訳でゼロックス杯から。もう思い出したくない人もいるだろうから、試合には触れない(それでもサッカー関連コラムか!いやレッズサポ関連コラムだから、これ)。
正直に告白すると、国立に着いてピッチ周りをうろついていても、自分のボルテージが上がってこないのに気づいて愕然とした。
 本を読むのに無意識に目から遠ざけている自分に気づいたときのようだった。俺にもこんなときが来るのか…、と。
 老眼になろうと老顔になろうと、朝5時にアラームなしで目が覚めるようになっても、フットサルをやって筋肉痛が翌日でなく2日後に来るようになっても、レッズの試合を前にして気合が入らない日が来ることはない、と思っていた。
 (開幕だぞ!、ガンバだぞ! お前がさいしんコラムで「負けたくない」とあおったスーパーカップだぞ!)と自分を叱咤激励してみたが、効果はなかった。
 もちろん仕事で行っているのだから、粛々とこなしはした。だけど、試合内容も僕の気持ちを盛り上げてくれるようなものではなく、その日は悶々とした気分で帰路に着いた。取材仲間と「0−4に納得がいかないから飲もう」と誘ったが、納得いかなかったのは自分の無気力ぶりだったのかもしれない。

 3月3日、埼スタのフィールドに上ったとき(埼スタのプレス控え室はフィールドより下にある)、急速に気持ちが高ぶっていくのがわかった。ゴールの後ろに撮影場所を確保して、控え室に戻り、次に外に出たのは選手紹介の数分前。その前から朝井夏海さんの選手コメントを耳にして、トロ火で煮込まれていたのが、「GETTHIS PARTY SLAMMIN」の曲とともに階段を登ったときに、一気に強火にされた感じだ。
 サポーターの期待やワクワク感、ピリピリするような視線、声や振られるフラッグ。ピッチからはアップする選手たちの熱気が伝わってくる。張られたダンマクからも無言の力が押し寄せる。運営スタッフやボールボーイ、見守るスタジアムの職員、飲食の売り子、すべてのものが僕の中に入り込んできた。
 赤い空気を吸った。去年までの(正確には今年1月1日までの)自分に戻った気がした。宇宙エースのガム?ポパイのホウレンソウ?
 人間が生きていくのに空気は必須だが、レッズのDNAの活性化には赤い空気が必要だったのだ。
 ちょっと安心した。
(2007年3月9日)
〈EXTRA〉
 「宇宙エースのガム」のところで「エイトマンのタバコ」と書こうとしてちょっと心配になり調べた。やっぱりエイトマンのタバコはエネルギーではなく、オーバーヒートを抑えるものだった。書かなくて良かった。でも今の時代なら、あの設定は許されないだろうなあ。
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