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Weps うち明け話
#140
他チーム
 どうしたんですか、清尾さん。海外へ行ったら更新が早くなるはずなのに…。
 というメールが来ないと思っていたら、グアムキャンプに行くことをここで宣言はしていなかったか。
 そういうことで、2月11日の初日から最終日(24日)まで、レッズのグアムキャンプの取材に来ている。ここまで更新できなかったのは、本当にムチャクチャ忙しいから。食事も朝はバナナとクッキー。昼はバナナと水という生活だ。別にジャングルで耐乏生活している訳じゃないが。日本に帰ったら絶対に痩せてるな、こりゃ。

 さて、今回チームが宿泊しているのは「レオパレス・リゾート・グアム」というホテル。プールや野球場、陸上競技場、サッカー場、トレーニングジムなどを完備した施設で、僕たちが来たときは、新潟、大宮、神戸、札幌が滞在しており、すでにG大阪、柏、F東京がキャンプを終えて帰ったという。1シーズンにJ1のうち8チームがキャンプをする施設なんて日本にも多くない。水泳の日本代表チームも強化合宿に来ている。
 初日の練習が終わる頃、大宮の西村卓朗がやってきて、レッズの選手たちと歓談していた。そうかと思うと闘莉王の「おお!アゴ!!」という声。そう、神戸の酒井友之が来て、みんなにいじられていた。エジミウソンも新潟へ顔を出しに行ったようだ。
 他チームの親しい選手たちと会える、という利点もあるだろうが、同じホテルでJ1のライバルチームもキャンプをしているというのは選手にとってモチベーションになるのではないだろうか。嫌でも開幕後のことが思い起こされて、トレーニングにも力が入る、と思うのだが。そう思ったら聞けよ。はい、そうします。

 さて、13日の朝、車で練習グラウンドに行くと、近くを3〜4人の選手風の男性がランニングをしていた。何となくサッカー選手のような雰囲気だ。だが、着ているTシャツやパンツを見ても、Jリーグのどのチームも思い当たらない。どこの選手だろうと思っていたら、車に同乗していた記者が「インチョンだ」という。インチョン(仁川)・ユナイテッド!
 なるほど韓国Kリーグのチームだってグアムでキャンプをして何も不思議はないわな。
 去年までだったら、そこで思考は停止していただろう。Kリーグのチームがどこで何をしようか、関係ないから。しかし、昨日は違った。インチョンて去年は何位だったんだろう?ソンナムやチョンブクはどこで合宿をしてるんだろう。シャンハイだって今は寒いんじゃないかな。だったらシンファも…。韓国や中国のチームのことを気にしている自分がいた。もしレオパレスにソンナム・イルハが来ていたら、けっこう親近感を持って見ていただろう。
 サポーターの多くもそうではないか?
 去年、ACLでソンナムを始めシドニーFCやセパハンという、強いチームと戦った記憶はいつまでも薄れないだろうし、彼らが今年どういう位置にいるか興味があるだろう。そしてKリーグ、Cリーグ、Aリーグ、あるいは中東の各国リーグがどういう順位なのか、以前とは比べ物にならないほど強い関心を持って見るはずだ。なぜなら来年のACLで対戦するかもしれない相手だから。
 もっと言えば、ヨーロッパの各国リーグ、ヨーロッパチャンピオンズリーグや南米リベルタ・ドーレス杯の結果を、単なるトピックスとしてではなく、CWCで対戦するかもしれない相手としてチェックするのではないか。
 これまで「他のチーム」というと、それは自動的にJ1の各チームを意味した。広がってもJ2までだったろう。今は、アジアのチームや世界のチームを、別の次元のものとしてでなくライバルという要素を持った「他のチーム」として考えるようになった自分がいる。そのことが少し誇らしい。

 もちろんレッズがACLに出場すること、そこで優勝してCWCに出場することが前提の話だが、一度経験した僕らにはそれが夢物語ではなく、現実のこととして思い描く素地がある。
 ACL優勝、CWC3位という新しい栄冠を獲得した昨季。それは一つのメモリアルとしてだけではなく、世界への希望を膨らませてくれるものとして想像以上の価値があった。
 だから勝たなくてはならない。
(2008年2月15日)
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