Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#145
梅崎
 開幕から公式戦3連敗。ナビスコ杯の京都戦から2勝1分け。勝敗でまだ五分にはなっていないが、上昇傾向にあるのは間違いないようだ。
 この3試合で8得点だが、その中に梅崎はいない。だが4月2日の清水戦で勝利し、ゴール裏に挨拶に来た選手たちが引き上げていくとき、レッズサポーターが真っ先にコールしたのは梅崎だった。
 これに気がついたのは僕ではなくMDP編集の相棒、高野和也。試合の後、仕事をしながらこう言っていた。
「梅崎、うれしいと思いますよ。だって点取ったわけじゃないのに、一番初めに名前を呼んでもらえるんだから。それをするサポーターもすごいと思いますけど。梅崎が入って明らかに流れが変わったのをよく見てますよね」
 梅崎がうれしそうだったのは写真を撮っていた僕の方がよくわかる。実に晴れ晴れとした笑顔で2階スタンドに向かって両手を上げ、ユニフォームのエンブレムをつかんでいた。思わず何枚もシャッターを切ってしまう。そんな表情だった。試合後「選手である以上、90分間出たいという希望はありますけど、どういう状況でも浦和のために、チームのためにプレーする。そのために来たんですから」というコメントを残している。
 2月に21歳になったばかり。練習の後、話を聞くときなどはベテラン選手のように落ち着いて、試合の状況や自分のことを、客観的に分析しているかのように、的確に話す。聞き方によってはさめているように受け取られるかもしれないが、あの素(す)の笑顔を見れば、彼のサッカーに対する純粋さがよくわかる。
 阿部勇樹もそうだけど、他のチームから移籍してきた選手は、ある意味では生え抜きの選手よりチームへのロイヤリティーが強い。そして、それを試合で表現している。そうさせるだけのものが、このクラブにはあるのだろう。
(2008年4月3日)
〈EXTRA〉
 あの笑顔、あの笑顔と連発しておきながら、Jリーグの規定により、ここで梅崎の写真をお見せできないのが残念だ。4月13日のMDP321号でぜひ。
 ところで高野和也とは、昨年から一緒に仕事をしてもらっているライター兼編集者。僕の硬直した見方に効果的なサゼッションをくれる人だ。いわゆる79年組の28歳。年代的にも選手たちと同じくらいだから、感覚もよく理解できるようだし、プレーヤーの経験も長い。いつか、ここに登場してもらおうと思っている。
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