Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#162
痛みシリーズ 4・一つになるということ
 岡野と内舘の最後の挨拶には泣かされたし、その後の「30」「19」の人文字には彼らが感動した。
 通常であれば11月末に各選手に郵送される来季の契約内容。それが岡野と内舘に、事前に面談で通達したのは、クラブが2人へ敬意を払ったに他ならず、2人の人間性や長年の功績を考えれば、来季以降スタッフとしての残留を要請したことと合わせて、妥当な配慮だと思う。岡野と内舘が来季、違うチームのユニフォームを着るのか、あるいはレッズのスタッフのジャージを着るのか(スーツを着るということもあるが)、まだわからないが、選手としての2人をもうレッズで見ることはないのは、ただ寂しい。
 ここ近年は、試合の戦力としてだけでなく、チームがまとまらなくてはいけないときの精神的な支えとしても貴重な存在だった。僕たちが話をするときにも、本人のコンディションなどを聞いたあとに必ず、チームの雰囲気の良し悪しや、それをどう変えていくか、などを続けて尋ねたものだ。
 ユニフォームを脱ぐ日が近づき、今年をふり返って岡野はこう言っている。
 「今年は(チームの雰囲気を盛り上げるのにが)難しかったですね。やっぱりメンバーにも入っていないときもあったし、試合にも出ていないので。(トップ)チームとの関わりが少なかったから、なかなか難しかったです」。
 内舘も「チームの力になりたくても、その場にいないことには」というようなことを言っていた。
 僕はこれを聞いたときは、ただそうだろうな、と思っただけだったが、シーズンが終わったいま、もう少し深い意味にとらえている。岡野と内舘が「自分たちは試合への絡みが少なかったから、チームを何とかしようと思っても難しかった」というとき、それは「試合に出ている奴らが何とかしないで、どうすんだよ!」という強烈なメッセージに聞こえ始めた。

 試合が終わったあと、選手に感想を聞く。レッズの選手はきちんと答えてくれることが多い。その試合をふり返り、反省点を述べる。自分のこともあるし、チーム全体や他のポジションの選手のことを言う場合もある。そこで僕たちに言っていることを、お互いに話し合っているのか?と疑問に思うのだ。
 試合の後で、報道関係者に対してしゃべる言葉が、自分可愛さの言い訳でなく、自分も含めてチームや他の選手がしなくてはいけないと思っていることなら、帰りのバスの中や、次の練習のときに提案するべきだと思うが、それはやっているのか、いないのか?
 「試合で起きていることは選手にしかわからないこともある」「やるのは選手だから」。こんな言葉をよく聞くが、じゃあ選手がやるしかないことは、選手がやってくれよ、と思う。試合に絡まなくてもチームに貢献できることはあるだろうが、試合に絡んでいる選手の責任ははるかに重いはず。
 あるときは批判のし合いになるかもしれない。それもチームの改善のためには有効なときもある。G大阪戦の後の都築とセルヒオのように、言い合いになってもいいから、思っていることを言った方がいいのではないか。
 岡野の置き土産の言葉。
 「うちは一つになったらこんなに強いチームはないです。いい選手はたくさんいますが、一つにならないと勝てないから、そこは大事にして欲しいです」
 最初に一つにならなければいけないのは選手たちだ。どの時代、どの監督の下でもそれは間違いない。

 ところで12月6日の前座試合「ボーイズマッチ」は、レッズとマリノスのジュニアユースU−13対決だった。結果はレッズが3−0で勝った。レッズジュニアユースの3点はいずれも関根貴大によるもの。彼はすでにジュニアユースのトップチームで、3年生に交じって試合にも出て、ゴールも挙げている選手だが、1年生の試合だとこれほどやれるのか、とあらためて感心した。来年はレッズユースから4人がトップに上がるし、高校3年生になる原口元気の出番も増えるかもしれない。下部組織からトップチームを強化する、というのが絵に描いた餅ではなく、現実のものとなってきた現在、関根貴大の将来を楽しみにするサポーターも多いだろう。40分間の試合が終わるころ、僕はこんなことを考えていた。
 「関根は中1だから13歳か。そして今日でやめる岡野は36歳。関根がレッズに入って岡野の年になるまで、どんな活躍をするんだろうか。レッズはこうやってずっと続いていくんだなあ」と。
(2008年12月9日)
〈EXTRA〉
 12月13日のレッズサポーター望年会に参加申込をいただいた方々へ。みなさんにお返事を出しました。万一、届いていない方がいたら、もう一度HAG03546@nifty.ne.jpにメールください。実は募集を始めたとき、パソコンを修理に出したこともあり、メールが削除されてしまったかもしれないので。
 なお、まだ多少の空きがありますので、参加ご希望の方もメールでお願いします。
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