Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#165
初頭の仕事
 去年の12月7日、Jユースカップの取材で鳥栖に行ったとき、博多駅でちょっと目を引くことがあった。
 駅や空港など人の出入りの多いところで、特に年末などは防犯のために制服警察官が立っていることがある。雑踏警備というのだろうか。だいたい、一段高い踏み台の上で、後ろ手をして周囲を見ているか、長い棒を立てているようだ。そしてじっと立っている。もちろん何かが起こればすぐに対処する態勢でいるのだろうが、僕はそういう場面に出くわしたことがない。
 博多駅の、たぶん筑紫口だったと思うが、そこに立っていた警察官は、やはり長い棒の上端に両手を重ねて、外から駅に入ってくる人の群れの方を向いていた。そして、その口はたえず言葉を発していた。
 「こんにちは」
 「はい、こんにちは」
 言葉だけでなく、頭も下げていた。「こんにちは」に「はい」がつくのは、先に通行人がその警察官に向かって会釈をするからだとわかった。とすれば、この人はいつもこうやって通行人に挨拶をしながら警備をしているのだろうか。

 もちろん、そんな光景は初めてだった。声をかけたくなったが、とにかく常に挨拶をしているので、そんなスキがない。なので想像だけすることにした。
 この警察官がどうしてこういうことを始めたのか知らない。駅の反対側でそんな光景は見られなかったから、警察署からの指令ではないのだろう。もしかしたら、自分がじっと立って何千人という人の目にたださらされるのに耐えられなかったのかもしれない。きっかけはどうあろうと、「へえ、いいじゃん、これ」と僕は思った。じっと立って周りを睥睨(へいげい)している警備が良くないとは言えない。防犯上の効果があるだろう。でも、この人のように通行人に挨拶をすることが、防犯効果を下げないのなら、いかめしい雰囲気が温かくなるだけプラスなのではないか。
 さらに言えば、警察というのは、普通の会社や団体よりも上意下達の世界だろう。その中で任務をきちんと遂行するだけでなく、それに自分なりのアレンジを加えるというのは、多少ならず勇気もいることだろう。二重の意味で、僕はそのおまわりさんに心の中で「ナイス」と言った。

 明けましておめでとうございます。2009年は、2008年よりちょっとだけ頑張ります。多くは無理です。ちょっとだけ。ただし、すべてのことに、ちょっとだけ頑張りをプラスしたいと思います。

 2008年の浦和レッズは12月23日のレッズレディースvsTASAKIペルーレですべてのカテゴリーで公式戦が終了し、12月29日のレッズユース「Go for 2014」ですべての試合が終わった。ただし2008シーズンはまだ続いている。
 1月3日から宮崎県で行われている全日本女子ユース(U−18)選手権。3日間の予選リーグの結果、レッズジュニアユースレディースはCグループの1位となり、準決勝に進んだ。Cグループに入っていたのは、岡山県作陽高校、アルビレックス新潟レディース、神村学園高等部。岡山作陽は、レッズユースが高円宮杯の準決勝で辛勝した学校。新潟はレッズレディースがなでしこリーグで対戦しているチーム。違うカテゴリーでの因縁がこういうところにも出るんだなあ、と面白く思ったが、最大の因縁は神村学園。昨年夏の全日本女子ユース(U−15)でレッズジュニアユースレディースが優勝したときの決勝の相手が、この中等部だった。神村にとっては妹分の「あだ討ち」ができる、と思ったかもしれない。一方、レッズのメンバーは高校生だけではなく、U−15の大会に出ていた中学生も少なくない。
 予選リーグ第2戦で両者は当たり、レッズが神村を破った。3−2というから、やはり接戦だったのだろう。2008シーズン最後の全国大会ではあるが、2009年の初頭を飾る大会だ。そこでレッズがベスト4に進出というのは、やはりうれしい。

 というわけで、僕の2009年初頭の試合取材は、1月7日13時30分からの全日本女子ユース(U−18)準決勝、浦和レッズレディース対日テレ・メニーナ、となりました。明日、宮崎に行ってきます。
(2009年1月6日)
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