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Weps うち明け話
#195
矛で盾を突かずに済む調整
 原口元気のU18日本代表招集がどうなるのか、気になってしょうがない。これは単に原口が9月13日(日)の山形戦に出られるかどうかだけの問題ではないと思うからだ。

 もともと、今回対象になっている「仙台カップ国際ユース大会」は、高円宮杯のグループリーグの第1戦、第2戦と重なっていて、今回、招集された18人のうち高円宮杯に出場するチームに所属する選手もいる。この選手たちはそれぞれのチームで主力となっているだろうに、高円宮杯には出られないのだろうか?AFCの公式戦でもない大会に選手を引っ張る。「ユース年代で最も権威のある大会」って、それくらいのものなのか?
 皮肉めいて書いたけれど、大会が開催できる日は限られているのだから、日程が重ならざるを得ないこともあるだろう。年代の代表チームと、年代の最高峰の大会、どっちが大事かを論じ始めたら、それこそ世界最高の矛で世界最強の盾を突く、みたいなことになってしまう。そこには調整ということがあるはずだ。
 そもそも今回のU−18日本代表に、クラブユースで決勝に進出したセレッソ大阪とFC東京の選手が1人もいない。本当に該当者がいないのか(今年、招集されたことのある選手はいるのに)、それとも配慮なのか。もちろんクラブや学校と協会の間で話し合いがあって、この選手は招集、この選手は見送り、ということがあってもまったくおかしくない。特に仙台カップはブラジル、フランス、韓国のユース代表が来るといっても、招待大会というレベルであることは否めないのだから、勝利が至上命令というよりは、強化が目的のはず。個々の選手のために、どちらが良いのか、よく競技して対処しているとすれば、それは当然のことだと思う。

 では原口元気はどうなのだ。Jリーグで24試合中23試合に出場し、うち21試合に先発しているバリバリのJリーガーだ。今さらU−18に呼んで何を強化してくれるのだろう。それは新潟の酒井選手などにも同じことが言えると思う。どうしても勝たなくてはならない大会で、原口や酒井がいなければ危ない、というなら話は別だが、強化のための大会なのだろう。プロ選手にJリーグの出場をやめさせてまで拘束する必要があるのか。

 ここで気になるのが、以前の強化担当者会議で、この仙台カップには全面的に協力する了承を取り付けてある、ということを錦の御旗のように協会側が言っていること。その後、各クラブがどういう状況に見舞われるかわからないのだから、それを絶対のものとして譲らないのは、「ユース年代で最も権威のある大会」である高円宮杯から選手を抜いてもやむをえないとか、逆に代表への招集を見送ってもやむをえないという配慮ある姿勢とは矛盾すると思うが。

 各クラブが勝手を言い出したらキリがない、という考えで今回は絶対に原口をフル拘束するということなのかもしれないが、それはますます協会とクラブの溝を深めることにならないか。
 何度も言うが、山形戦に原口がいないとレッズの連敗が止まらない、という心配だけで言っているのではない。
 いてくれたほうが、ありがたいのが本音だが。
(2009年9月4日)
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