Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#197
温室効果ガス削減と浦和レッズ
 世間は民主党新政権と酒井法子の話題で一色だ(毛色の違うもの2つだから二色か?)。酒井法子のことはさておき、民主党が中心になってどんな政治をしていくのか、まったく興味のない人はいないだろう。だって政権公約に謳ってあることは、自民党前政権の政策、すなわち今まで日本で行われていたことを否定もしくは修正したものが多い。それを実行に移すとなれば、いろいろなところに少なくない変化がある訳で、自分が望むと望まざるに関わらず、その変化の影響を受けることが出てくるかもしれない。この政権交代という出来事の大きさは、レッズの監督交代の比ではない。もっとも僕への影響という点では後者の方がだいぶ大きいのだが。ホント苦労してるわ。

 地球温暖化防止、温室効果ガス削減、というのは最も政治色の薄いテーマであると同時に極めて政治的なテーマだ。
 うん、こんなふうに書くとイッパシの評論家みたいだな(笑)。
 なぜ政治色が薄いかというと、温室効果ガスを減らさなくてはいけない、ということについては、いかなる政治的立場の人でも表立って反対しないだろうからだ。沖縄県の米軍基地をどうするか、というテーマとはだいぶ違う。しかし、では温室効果ガスを減らすためにどうするかということになると極めて政治的な話になる。何せ、総論賛成各論反対の見本みたいなテーマだから、企業が出すガスの規制と生産性の関係、一般家庭への呼びかけと快適な生活のバランス、ハイブリット車に代表されるエコ耐久消費財の開発と普及…。法律の制定はもちろん必要だが、地方行政との意思一致、企業や国民への啓蒙・教育など多岐に絡んでくる。
 地球温暖化は防止したいが、駐車中にエアコンを切って暑い思いをするのは嫌だとか、温室効果ガスは減らしたいが、自分の会社の利益が減るのは困る、という発想がまだ多くを占めていそうな日本において、この問題を解決の方向に進めるのは、強い政治力が必要だろう。しかも派手なテーマではないから、数字的な改善が見られたからといって、国民がスタンディングオベーションで時の内閣に賛辞を送るかといえば、疑問だ。

 温室効果ガス削減が遅々として進まない最大の理由は、それが5年後、10年後の自分に降りかかってくる問題ではないからだ、と僕は思う。いま全家庭がエアコンを止めなければ、来年海面が1m上昇する、と言われれば、リモコンのスイッチを切らない人はいないだろうし、エアコン全面禁止という法律ができても誰も文句は言わないだろう。レッズの取材時にマスクの着用やアルコールでの消毒を要請されたメディア関係者がちゃんと協力するのに似ている。
 しかし500年、1000年というスパンではなく、このまま行けば100年もたたないうちに海面が50cmくらい上昇する(もちろん、それ以外にもいろいろ影響が出ているはずだが)というのは、自分はともかく自分の孫かひ孫くらいには関わってくるはずなのに、今のうちに(身を削っても)何とかしたいと思う人が多くないというのは、そもそも人類に種の保存本能が薄くなってきているのだろうか。
 我が亡き後に洪水は来たれ、でいいのか?

 堅い話で頭が痛くなった?書いている方も息切れしてきたから話をレッズに移す。
 今季から新しいサッカースタイルを浸透させるために、ここまでやってきたのはなんのため?今年の優勝のためじゃない。来年、再来年以降に、人もボールも動くワクワクするサッカーをしながら優勝争いに絡むチームを作るためだ。そういう話をずっとしてきたつもりだが、先日「優勝を見たいから、数年前からシーズンチケットを持っているのに、それじゃ嫌だ」という人がいた。また「もう年だから遠回りしたくない」と僕より若い人が言っていた。
 うーん。
 選手は働ける期間が限られているから、年齢によっては1年でも遠回りしたくない、という気持ちになるのもわかる。だが、多くのファン、サポーターは、50年後とは言わないが、5年後にも応援してくれているのだと思う。だから2〜3年後をメドにしっかりしたサッカースタイルを作り上げて内容も結果も最高を目指そうというプロジェクトに賛同してくれているのだろうと思う。

「未来の子どもたちに緑の地球を残そう」というのは環境問題のスローガンだが、今年のレッズサポーターにスローガンをつければ「数年後の自分たちに強くて面白いレッズを」かな。
(2009年9月18日)
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