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Weps うち明け話
#203
試合前日に…
 へえ、言うときゃ言うんだ。
 今日の大原、練習終了後の試合前日監督記者会見が始まる直前、広報部長から発表があった。本日付のあるスポーツ紙に載った、提携関係のあるバイエルン・ミュンヘンがレッズに三下り半を突きつけた、という記事は事実無根、来年以降の契約内容について現在協議中である、ということだった。その場には当該紙の記者を含め、他のスポーツ紙の記者もいた。詳しくはもうすぐオフィシャルに載るだろうから見て欲しい。

 僕は以前から、ファン、サポーターに誤解を与えるような記事については、クラブがすぐに対処すべきだと思っていたし、そう進言してきた。でないと、大事な闘う仲間に無用な心配をかけてしまうからだ。フィンケ監督の記者会見をそのまま掲載するだけで、理解してもらえるものもあるが、毎日記者会見をやっているわけではないし、監督にその任を負わせるのは良くないと思うからだ。
 また、明らかな曲解や出所不明の情報に基づいた記事については、訂正を求めたり、抗議をしたりすることも必要ではないか、と言ってきた。一時、関係が悪くなっても、相互批判のできる間柄というのは、ある意味で一段階上の関係だと思う。それに、相手を批判するときにはそれなりの覚悟が必要なことを知ってもらっておいた方がいいからだ。
  だがクラブとしてなかなか、そこまで踏み切れない部分があるのもわからないではない。僕のような社外の人間とはまた違う思いがあるだろう。かくして、これまで「あの記事は事実と違います」と言うのはフィンケ監督だけだった。

 だから今日の広報部からの発表は良い意味で意外だったのだ。そして、すぐに当該の記事を見返してみた(インターネットで)。よく読むと前段の部分は事実無根というより、事実を書いているのだけど、その解釈が捻じ曲がっているだけではないか。はっきりとしたレッズ側のコメントは橋本代表の「契約を見直そうと向こうから問い合わせはあった」ということだけ。おいおい、それって三下り半なのか?三下り半って、一方的に離縁するという通告であって「見直そう」ではないだろう。
 バイエルンとのパートナーシップ契約は06年から2年契約で結ばれ、08年にまた2年契約が延長されたと理解している。自動延長ということだが、契約期間のたびに内容の見直しがあるのは何も不思議なことではない。逆にレッズからも見直しを要請する部分があってもおかしくはない。
 要は、誰かが言ったこと、実際にあったことを基にはしているのだけれど、そこから導き出す主張が現実とはだいぶかけ離れたものになっている、ということ。事実を捏造しているのではなく、そこからの想像力がたくましいだけ、という記事は、今に始まったことではなく、これまで何度もやられてきたことだ。もちろん、それでも読者に間違った印象を与えるという意味では、クラブから一言あるべきだと思うが、これまでそういうことに二の足を踏んできたレッズが、今日そういう発表をしたというのは、ついに堪忍袋の緒が切れたということだろうか。これからも記事に目を光らせていくぞ、という宣言なのだろうか。何にしても僕としては歓迎である。

 そんなことを思っていたら、記者会見が終わってからフィンケが言った。
「あの記事の、自分に関する部分は全く事実と違う。自分はバイエルン・ミュンヘンから電話をもらって、レッズで仕事をするのはどうか、と推薦をもらったから、レッズに興味を持った。自分がレッズに来たことによって、両者の関係が悪化したことはない」。
  よほど腹に据えかねたのだろう。これまでは何かあっても記事の誤りを示すだけだったのに、
「日本では、こういうことを言うと謝らなければいけないかもしれないが、この記事を書いた記者と会社は、どうしてこういう記事になったのか、私に説明に来るべきです」とまで言った。そして「謝らなければいけないかもしれない」と前置きしたとおり、「すみません」と言って引き上げていった

 残り6試合。天皇杯惨敗のあとの大事な試合の前日。監督は試合に集中させてやりたいものだ。
(2009年10月16日)
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