Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#206
監督に関する議論・その1
 あと4試合―。
 このあとに「しか戦えない」と選手全員が思っていてほしい。
 間違っても「でオフだ」などと思っている選手はいてほしくない。
 少なくとも今日、大原で聞いた選手は「あと4試合しか戦えないんだから、そこで10か月間やってきたことを見せたい」と語っていた。

 さて、先日の大宮戦のあと、サポーターがスタジアム正面に来て、選手の乗ったバスを止め、橋本代表が出て行ってサポーターの代表者と話をした。その場面の取材は遠慮してほしいということで、終わってから橋本代表による事実経過の説明があった。形式は部屋の中での記者会見ではなく、ロビーでの囲み取材だった。
 橋本代表の話では、「ダービーに対する強い思いは持っているのか。改革をやっていくなら、しっかりやってくれ。残り4試合、しっかり戦ってくれ」というような要望がサポーターからあったという。橋本代表は、そのことをバスの中で選手たちに伝え、さらに自分の言葉で、サポーターの思いが伝わったと表現できるのは残りの試合の中でしかない、と付け加えたという。

 監督の去就に関する要望はサポーターから出なかったのか、という記者の質問に対し「それはなかった」と代表が答えたところ、一部の記者グループからは、サポーターと代表の話し合いについて、というこの囲み取材のテーマに関心を失ったようで、「なぜ橋本代表はフィンケ監督の解任を決意しないのか」というテーマに話を移し始めた。
 別の記者が「監督や選手の反応は?」と、囲み取材の趣旨に沿った質問をしても、それに対する答えが終わると、すぐに監督解任問題に話を戻す記者グループ。
 基本路線は変わらない。監督との契約に関する話は、こういう場ではしない。そう橋本代表が明言しているにもかかわらず、事実と主観をごちゃ混ぜにし、橋本代表の言葉の揚げ足をとって、フィンケ解任を示唆するような言質を取ろうと入れ替わり立ち替わり質問をする。質問といっても「国会質問」だ。つまり自分の意見を展開して、「と思うがどうだ」というもの。
 横で聞いていて、こりゃ取材じゃないな、と感じた。一部記者グループによる監督解任交渉か?いや、フィンケを解任すると言わない橋本代表への抗議集会か?ということだった。ちなみに翌日のスポーツ紙に、サポーターが社長を1時間半つるし上げた、という記事が載ったが、「つるし上げ」という表現は、あの囲み「取材」にピッタリはまる。

 よくマスコミは、国民の知る権利の代行者、のように言われる(自分で言っている)が、それはそうだとしても、いまレッズファン、サポーターの間で、フィンケ解任すべき、という声がどれだけ出ているのだろうか?ゼロではないだろうが、とてもマジョリティーとは思えない。だったら彼らは国民(この場合はレッズファン、サポーター)の代行者ではないということになる。もしかしたら、レッズファン、サポーターを啓蒙してやらねば、という使命感でやっているのかもしれない。「7連敗、8連敗して文句を言わないサポーターもおかしい」と言っていたから。
 だが多くのレッズファン、サポーターは、100パーセント満足してフィンケ続投を支持しているわけでもないと思う。
 ただ、新しいことをやろうとするとき、困難はつきものだし、結果がすぐに出るはずはない。1年足らずで監督を替えて何の意味があるのか、ということを経験的に知っているのだ。もちろん9か月やって全く何の可能性も感じなかったら話は別だが、そんなことはない。とにかくもうしばらく続けないことには何の結論も出せないということだろう。さらに選手の教育、クラブの体質など、重要な課題もあるのに、監督交代という大きな出来事で後回しにしたり、覆い隠したりしてほしくない、ということもあるはずだ。

 とにかく、記者有志諸氏から代表に対して、あの手この手でフィンケ解任を迫ってもらわなければならないことは何もない。
 だからと言って、監督問題の議論を封印すべきとか、無条件で2年目を任せるべきとかも思っていないということも言っておこう。
 時間切れ。また来週。
(2009年10月30日)
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