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Weps うち明け話
#231
質の差を結果に反映させる要素
 後半は相手が10人とは思えなかった。たしかにそうだ。でも相手が1人退場になったときに、「11対11のつもりでやろう」とはよく言うことだから…。違うか。

 F東京戦の後半は、相手が10人になるとかえって危険な場合がある、という以上に攻めあぐんでいたように思うが、この試合の最大の目的は勝つこと。どの試合もそうだが、特に開幕戦をアウェイで落とし、ホームで今季初めてレッズを見るファン・サポーターの前では、「良い試合をしてたくさん点を取って勝つこと」がベストだとすれば、「良い試合をして勝つこと」がベター、その次は「勝つこと」が大切だった。
 去年は「コンセプトを定着させるためなら負けても仕方がなかった」とは言いすぎだが、まずはコンセプトをチームに浸透させるのが第一で、それを崩すことはしなかった時期もあった。しかし今季は内容を一段階上げると同時に、成績での目標がある。開幕連敗は許されない。1−0で勝っている終盤、攻撃的な位置にいるMFを、位置はそのままで守備的な選手に替えたことを「消極的」と指摘するのは、違うと思う。昨季も、勝ってい試合の終盤、攻撃的な選手に代えて堀之内を投入し勝ちきるための態勢に入ることが多かった。もちろん、終盤になる前に1人少ない相手から何でもう1点取れなかったか、という残念なところはある。2点目が入っていれば、3点目が入りやすい状況になっていただろうし、そうであれば終盤に投入される選手は、啓太でなく高原か原口だったかもしれない。まあ、それもタラレバの世界だが。

 今季のフィンケ監督は、選手の「勝利に向けた気持ち」を強調している。練習で選手がそれをはっきり見せているというコメントを記者会見でもしているし、開幕前から今季のチームの特徴として、競争の激化を挙げている。
 実際そうなのだろうけど、この傾向は今季具体的な目標を掲げたことと無関係ではないだろう。尻に火がついた、言い訳ができない、そういう言い方もあるが、もっとポジティブにとらえて、1年の土台作りを経て結果を出すことを目標にし得るチームになった、と表現したいしたい。
 04年にブッフバルトが監督に就任した際、以前のオファーを断り今回受けた理由は?と質問したら、自分が監督を引き受ける環境(選手の顔ぶれ、練習場など)が整ったからだ、と答えた。監督という立場の人は、できないことを「できる」とは言わない。逆に「できる」あるいは「やる」と言うときは、意気込みだけでなく、いろいろな裏づけがあるときだ、と思う。全員がそうではないだろうけど。
 だから「ACL出場権獲得」を目標として明言しているフィンケ監督にも、ある程度以上の自信があるのだろう。もちろん、どこかに置いてあるカップを拾ってくるようにはいかないから、練習でも試合の采配にもより勝利へのこだわりを見せるはずだ。

 新戦力の柏木、宇賀神、岡本に注目が集まりがちだし、そうなるだけの理由はあるが、チーム全体も去年とは変わっている。劇的な変化ではないにしても、去年との質の差はある。だがその変化を、得点や勝点の差にまで反映するには、結果にこだわる姿勢が不可欠だ。負けを引き分けに、引き分けを勝ちに、という。もちろん監督だけではなく、選手全員の姿勢だが。
  内容=結果ではなく、内容+勝利への意識=結果、ということか。
(2010年3月17日)
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