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Weps うち明け話
#242
3連覇
 浦和レッズジュニアユースレディースが全日本女子ユース(U−15)選手権で3連覇を果たした。
 毎回、決勝が平日でJリーグと重ならないことから、3回とも優勝の瞬間に立ち会うことができたのは幸運だった。女子のサッカーはまだ裾野が広くないということもあるが、それでも毎年選手が入れ替わる年代別の大会で3年連続優勝するというのは大変なことだと思う。たとえば中学1年生の年代がずば抜けていたとしたら、そこから3連覇ということもあると思うが、レッズジュニアユースレディースの場合、一昨年の大会に出場していた中学1年生は多くないはずだ。僕が見たのは決勝だけだが、そこで出ていたのは今年のキャプテンを務めている中村みづきだけだったと思う。毎年、下の年代を育てながら中学3年生が中心になってチームを引っ張っていく、そういう育成をしてきたのだろう。

 今年の決勝のあと、3連覇すべてに関わった中村に、1年生、2年生のときの優勝と今回の優勝とでは、何が一番違うかと聞いた。彼女の答えは、「3年生ってこんなにプレッシャーがあったんだ」と初めてわかった、ということ。逆に1年生、2年生のときの方が伸び伸びやれたということらしい。ちょうど応援に来ていた去年のキャプテン栗島朱里(現在高校1年)に聞くと「自分も3年生のときは同じことを感じた。実際に3年生になってみないと、その気持ちはわからないと思う」ということだった。栗島も自分が2年生のとき初優勝して、3年生になってキャプテンを任され、2連覇のプレッシャーがあったのだろう。

 ジュニアユースレディースでU−15チームを担当する下山薫コーチは「他のチームから研究されているのを感じた」と言う。3連覇をを目指すチームとしては当然のハードルかもしれない。そこでしっかり勝てた、しかも5試合すべて無失点というのは、素晴らしい結果だ。下山さんも、去年からコーチに就任し、前年優勝のチームを任されてプレッシャーを感じていたようだが、今年はやや余裕を持っていられたかもしれない。

 浦和レッズとして2010シーズン初めてのタイトル。また同一大会3連覇はレッズの歴史の中で初だ。
 偶然で3連覇はできない。このコラムでも何回か書いたが、レッズの女子部門はレディースとジュニアユースレディースがまるで同一チームのようにうまく運営されているのが最大の強みだ。
 去年の竹山裕子や今年の加藤千佳のように、高校生でなでしこリーグに出場し、そこで力をつけてU−18チームに戻り全体を引き上げる。また、中学生でU−18チームの関東女子リーグに出場している選手は多く、そこで大学生と対戦した経験はU−15チームに絶対の自信となる。さらにジュニアユースレディース出身で、FIFA女子U−20ワールドカップに出場した竹山や岸川奈津希、U−17日本代表候補の加藤らは、中高生たちにとってあこがれでもあり身近にいる目標でもある。
 クラブチームとしてのアドバンテージを最大に生かしているのが今の浦和レッズ女子部門だと思う。

 明日の仙台戦の前に、埼スタのピッチで優勝報告があるらしい。平日で厳しいとは思うが、もし間に合うなら18時30分までにスタンドに入ってもらえれば、彼女たちの笑顔が見られるはずだ。もちろんMDPにも載っているけれど。
(2010年8月16日)
〈EXTRA・1〉
 #241はサイトの運営会社が夏季休業に入る前に、と急いで書いたのだが、間に合わなかった。そんなわけで1日2回の更新になってしまった。
〈EXTRA・2〉
 今回の全日本女子ユース(U−15)選手権は、決勝の会場がJヴィレッジスタジアムだったり、表彰式に日本サッカー協会の大仁邦彌副会長が出席したりと、前回、前々回に比べて位置づけが高まったような気がする。取材者も多く、非常に良いことだと思った。ついでにそろそろホームページの「歴代優勝“校”」の表記は変えましょうよ。あ、中村修三さんに言えばいいのか。
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