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Weps うち明け話
#251
そして高円宮杯へ
 #250の後日談。というか、試合の後に見聞きした話。一緒にすると長くなり、話があっちこっち行くので分けた。決して回数かせぎではなく。

 10月16日の試合後、ボールボーイを務めたレッズジュニアユースの中3生たちに話を聞いた。彼らがジュニアユースに入ったのは08年。峻希が高校3年生、原口が高校2年生だから6年のスパンで見れば「一緒にやっていた」と言える。ジュニアユースとユースは与野八王子グラウンドで一緒に練習しているからそれが普通の感覚だろう。
 広瀬陸斗に「今日出ていたレッズジュニアユース出身者を知ってる?」と聞くと、彼は指を折りながら「峻希くん、原口くん、宇賀神さん」と正確に答えた。なるほど、峻希と宇賀神の間には「くん」と「さん」の差があるのか。
 森亮太に「峻希たちが高円宮杯で優勝したときは?」と尋ねると、みんなで旗を持って埼スタに応援に行ったという。そう言えば、あの日そういう集団もいた記憶がある。
 関根貴大は「中1のとき、前座(ボーイズマッチ)で試合をしたことがありますけど、そのときも大勢のサポーターの前で緊張して全然ふだんどおりできませんでした。でも今日の雰囲気は、それとケタが違う」と埼スタの感想を語った。

 引率で来ていた池田伸康U−15監督に聞くと、試合の前、選手が入場のために控えているとき、峻希と原口に会い握手をかわしたという。後輩たちが来ていることを知った原口は「じゃ、点取ります」と伸康監督に言ったそうだ。今季リーグ2点目がその宣言どおりに飛び出すなんて、毎試合誰か来て欲しいものだ(笑)。
 原口ゾーンからのゴールは、試合後の選手インタビューで本人も言っていたが、得意な形で、この試合の前半も、そしてこれまでの試合でもあの位置でボールを持つと必ずと言っていいほど狙ってきた。だが、さすがにプロの世界、ほとんどのチームは、しっかりマークについて原口に良い形で打たせなかった。
 しかし後でビデオで見たのだが、セレッソのマークは甘かったと思う。最初のDFが滑って遅れると、その後はアマラウが軽く足を出しただけ。マルチネスがチェックに来る前に原口が打った。僕らはユース時代に何度も見てきて知っているが、セレッソにまでそういう情報は入っていなかったのだろうか。だが、これからはもっとチェックが厳しくなるだろう。そこをかいくぐって、もっと切れ味を鋭くしてほしい。“原口ゾーン”という言葉が全国区になるほどに。
 ところで、原口ゾーンからのゴールは、某スポーツ紙に“プロ入り後は一度も決まらなかった”とあったが、それは何かの間違い。去年の6月13日、ナビスコ杯の大宮戦で、やはり埼スタの北側ゴールで決めている。リーグ戦では初だが、「プロ入り後は」というなら2度目だ。

 さて、ジュニアユースの選手たちは、いま高円宮杯全日本ユース(U−15)選手権出場に向けて意欲を燃やしている。言うまでもなく5年前に先輩たちが獲得したタイトルだ。今年8月の日本クラブユース選手権U−15では、準決勝で涙を飲んだ。僕のひいき目と言われるかもしれないが、レッズが優勝する力は十分あったと思う。
 一発勝負の怖さも十分に体感した彼らが、さらにスケールアップして、大会に臨むのが楽しみだ。もっとも、その前に関東予選でトーナメント戦3試合を勝ち抜かなければならず、ここが全国大会並みの難関だ。関東予選は11月7日、13日、14日の3日間。最終日がJリーグの京都戦と重なっているのが残念でならない。
(2010年10月18日)
〈EXTRA〉
 セレッソで左サイドバックのレギュラーを務める丸橋祐介は、ユース(C大阪U−18)時代、08年の高円宮杯決勝トーナメント1回戦でレッズユースと対戦している。準々決勝の相手だった鹿児島城西高校から鹿島に入った大迫勇也は今季から9番をつけている。そういう時代になってきた。
  宇賀神が「レッズユース時代に広島ユースの柏木とマッチアップしている写真は自分の宝物だった」と言っていたが、逆に彼らが「俺は高校生のころ、レッズの○○と対戦したことがあるんだぜ」と言われるような存在になるまでに、あと少しだろう。「レッズの」という部分は「日本代表の」でもいいぞ。
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