Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#254
スタジアムに来る動機
 山形戦の21,625人という入場者数は、埼スタでのホームゲーム入場者最少記録を大きく更新するものとなった。
 入場者減が話題になる中、新潟、大宮、C大阪と埼スタ3連勝を挙げ、それが山形戦の入場者数にどう反映するか、と思っていたので、台風14号がうらめしかった。
 もちろん数字的には非常に少ないのだが、週の初めから「でかい台風が来るぞ」と言われ、前日には「関東直撃」とまで報道されて実際に傘も壊れるような(1本壊しました)天候の中、よく2万人以上も来てくれた、というのはおかしな見方だろうか。最近、「清尾の楽観姿勢こそ体質改善が必要」という意見をMDP編集室あてにいただき、自分の見方を見直さないといけないのか、と考えている最中に、またこんな発想をしてしまった。
 本当によく来てくれたと思ったし、それだけに勝ちたかった。

 観客減少の理由として、いろいろな人がいろいろなことを言う。

 勝てないから。
 試合が面白くないから。
 宣伝が不足しているから。
 チケット販売の努力が不足しているから。
 アクセスが良くないから。
 経済状況が厳しいから。
 そもそもJリーグ人気が落ちているから。

 観客減少は総合的な問題であり、1つの理由ではないだろうと思うし、ましてやクラブの人間が責任を押し付けあってはいけない。それは「#241当事者」でも書いた。

 最近、ちょっと違う観点からの意見を2つ聞いたので披露しておこう。

 一つは、テレビの地上波でのレッズ戦中継が非常に少なくなったこと。
 いつもレッズの試合をテレビで見ていて、たまにはスタジアムに行こうか、という家族も少なくなかったはずだが、ふだん試合を見られなければレッズそのものが遠い存在になってしまう。テレビ中継があるとスタジアムに来る人が少なくなるという節もあるが、それはサッカーを生かテレビか必ずどちらかでは見るということが前提の人の話で、そこまで好きではない人に、たまには行こうか、という気にさせるのは、手軽に見られる地上波のテレビなのではないか。
 ということ。

 そして、もう一つは試合曜日と試合時間が一定しない、あるいはクラブ主導で決められないこと。
 たとえばレッズのホームゲームは毎週土曜日の5時からと決まっており(平日開催を除き)、それが浸透していれば、何かの用事を作るときに、「土曜日はレッズだから避けよう」とか「用事は5時までに埼スタに行けるように済まそう」ということになっていくのではないか。これなら来季の予定や後半の予定が発表される前から安心してスケジュールを入れることができるし、やはり「今度の土曜日はレッズに行くか」と思いつくきっかけになる。
 今のように土曜か日曜か、あるいは14時か16時か19時か、覚えるのも大変な試合日程では、熱心なサポーターはともかく、たまに行こうか、という人は試合日を意識できない。
 ということ。

 たしかに、そういう要素は少なくないと思う。CS放送のテレビ局が「全試合生放送」掲げるのは素晴らしいし、意義あることだと思うが、そのために地上波での中継がなくなり、今のCS受信世帯数からすると、見られない人が多い、という現実はある。
 また土日分散開催や試合時間の調整は、毎節2試合以上をスタジアムで見たい人のためではなく、今のチャンネル数で全試合生中継するためのテレビ局側の都合だ。もちろん、どのチームのファンの人も生で見られる、というメリットは大きい。いっそチャンネル数が9あれば、毎回最終節のように同時開催でもいいのだろうが(あれ?最終節はどうするんだろう?)。
 本当に誤解のないように言うが、CS放送が果たしている役割と、目指しているところの意義を過小評価するものではない。だが契約世帯がもっと増えていくまでは、デメリットも少なくないかもしれない。

 今を過渡期と受け止めるか、混乱期と考えるか、もう少し時代が進まないと判断はできないが、入場者減少の理由として上記の2つが挙げられるなら、今は別の方法でそのマイナスをカバーするしかないだろう。11月4日に行われた、選手の小学校訪問などは、レッズを身近に感じてもらう一つの方法だろう。なんだ、レッズは今ごろ始めたの?と言われそうだが、始めたことを評価したい。

 入場者が減っている理由を考えるときに、みんな何を求めてスタジアムに来るのかを知ることは大事なことだ。その中で、最初に挙げた「勝てないから」のところで、補足したいのは、単にレッズが勝つところを見たくてスタジアムに来る人ばかりではない、ということだ。
 試合が終わってさっさと出てしまう人は別にして、選手と共に、そして同じ思いを抱える多くの知らない仲間と共に、勝利を確認しあう、あのひと時。あれを一度味わった人は、忘れられないはずだ。スタジアムには、日常で得られないものがいろいろあるが、あの時間と空間は非日常の最たるものだ。くせになる。そうじゃないか?
 だから「勝てないから」というより、勝利をみんなで喜びあう機会が減ったから、という方が正解なのだと思う。結果的には同じことでも、ホームゲームでの勝利というものをどうとらえているか、その思考が問われる気がする。

 だから10月30日、雨に濡れたマフラーの波を見たかった。本当に。
(2010年11月5日)
〈EXTRA1〉
 今さらですが、マフラーを掲げるときには、書かれた文字がピッチから見て上下さかさまや裏返しになっていないよう、ちょっと気をつけてもらえるといいですね。いや、何もカメラマンの都合ではなく、テレビで見たときにもきれいだし、そうすれば、「ああ、次はあそこにいたい」という人が増えるかも。
〈EXTRA2〉
 今年のレッズサポーター望年会は12月18日(土)の午後、浦和駅西口のコルソ7階ホールで行います。詳細と募集は週明けに。大きな会場なので、みなさんお誘いあって予定に入れてください。
 毎年、12月の第三土曜日はサポーター望年会、と浸透するには時間がかかるだろうなあ。いや、その前に毎年変わってるか。
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