Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#262
来季の話
 昨日、レッズの来季の監督が発表された。また今日、堤俊輔の復帰と、マルシオ・リシャルデスの移籍加入が発表された。
 ゼリコ・ペトロヴィッチについて知っていることは少なくないが、今それを語る時期だとは思わない。今日も大原では、今季の監督の指導の下で、来季はいない選手たちも含めて、12月25日の試合に向けて練習に励んでいた。
 そんなときに、2011シーズンの監督についてあれこれ語る気になれないのは普通の感覚だ。この話題は今季の戦いが終わるまで、ここでは出さない。今季の戦いが来年まで続くことを望みながら。

 でも来季の話でも、他のクラブに入る選手の話ならいいか。
 来季、大宮アルディージャに新加入する西武台高校の清水慎太郎選手は、知っている人も多いと思うが、中学生時代は浦和レッズジュニアユースにいた。つまり岡本拓也と同期だ。07年のレッズジュニアユースは夏のクラブユース選手権でベスト16、この時期の高円宮杯全日本ユースではベスト8に進んだ。清水君は非常に気持ちの強いFWで、ドリブルでもフリーランニングでも常に全力でゴールに向かう選手だった。しかし公式戦で先発したことはあまりなく、後半からの途中出場がほとんどだった。僕が撮った彼の写真は、歯を食いしばって走っているものが多い。この年のジュニアユース最後の試合になった高円宮杯準々決勝の東京ヴェルディ戦でも、後半13分に途中出場していた。
 このころレッズのアカデミーセンターでは、ジュニアユースからユースに上がれるのは10人前後に絞られていた。先発選手でなければ難しかった。清水君もレッズユースではなく西武台高校に進んだ。西武台高校は言うまでもなく全国高校選手権の2年連続埼玉県代表。今年は夏のインタハイで全国ベスト4まで勝ち進んでいる。

 レッズジュニアユースから高校を経てJリーガーになった選手としてはガンバ大阪の中澤聡太がいる。市立船橋高校から柏レイソルに新加入し、その後G大阪に移籍した。だが、本人にとって地元でもある大宮アルディージャに加入する選手は初めて。レッズでないのが残念という気持ちも少しはあるが、それよりも彼がプロになるという夢を実現したことの方がはるかにうれしい。清水君本人にとって、そしてレッズジュニアユースの選手たちにとっても素晴らしいことだと思う。

 今月19日から第22回高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権に挑む、ジュニアユースの選手たち。3年生の中にはやはり来年レッズユースでプレーするものと、そうでない選手がいる。しかしユースに進まない選手もいま最後の全国大会に向けて、全力で練習に励んでいる。自分たちのサッカーの集大成をこの大会で出すために。3年間、必死で頑張ってきた証を、大会結果で残すために。
 そんな彼らにとって、レッズユースに進めないのは残念だろうが、高校でサッカーを続けて卒業後、レッズではなくてもプロになる道があるんだ、ということを身をもって示してくれた清水君は、今季レッズに新加入した宇賀神友弥と同様に、希望の存在ではないだろうか。

 岡本拓也に清水君のことを聞くと「すごく気が強いヤツ」と、僕の印象が正しかったことを裏付けてくれた。
 来年のさいたまダービーで、楽しみが増えた。
(2010年12月8日)
〈EXTRA〉
 最近のEXTRAはお知らせが多いですが…。
 このさいしんコラムのうち「WEPSうち明け話」以降のコラムから129本を選んで収録した本「浦和レッズのミカタ」が、出版されます。早いところでは明日から書店に並びます。収録にあたって若干の加筆訂正をし、新たに後日談を書き足してあります。興味のある方は、書店でお手に取ってご覧ください。
 発行:幹書房、1,500円(税込み)です。
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