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Weps うち明け話
#267
悔しいばかりじゃない
 土曜日の夜から気分が晴れなかった。
 天皇杯準々決勝で敗れ、ガンバ大阪に公式戦9試合勝ちなしとなった。このチームとは、そのときの力の差が如実に結果に出るようだ。今季のリーグ戦の順位でいうと、10位のレッズより上の9チームとのリーグ戦対戦成績は、トータル7勝2分け9敗で、当然ながら負けが多いが圧倒的というほどでもない。上位5チーム(名古屋、G大阪、C大阪、鹿島、川崎F)との対戦成績を見ると4勝2分け4敗と五分なのに、G大阪にだけは2敗しているのだ。
 今年の11月20日に埼スタで対戦したときのMDPで、レッズとG大阪との対戦の歴史を特集してみて、あらためてわかったのだけど、その段階での公式戦通算対戦成績は23勝10分け22敗でレッズがわずかにリード。リーグ戦では16勝7分け16敗とまったくのイーブンだった。現在は公式戦でもリーグ戦でもG大阪がわずかに上回っている状況になったが、19年のスパンで見ると拮抗している状態は続いている。
 レッズがG大阪に勝てなくなった08年からの3年間、両チームの成績はどうだったか。
 まずG大阪は08年、リーグ戦ではレッズより下の8位だったが、ACLを初制覇し天皇杯でも初優勝、FCWCで3位となった。09年はリーグ戦は3位で終わったが天皇杯を連覇した。そして今季はリーグ戦2位、ナビスコ杯ベスト8、ACL予選落ちと苦戦しているが天皇杯では3連覇を目指して4強入りしている。
 片やレッズは3年連続無冠で、今季もすべての大会でG大阪より下の成績だ。この3年間、チームの力が対戦成績に反映されたと言っていいのではないか。逆に06年と07年に行われた9試合(2年間でそんなに当たった)では、レッズの4勝3分け2敗。07年のゼロックス杯とナビスコ杯準々決勝第2戦で負けたのは残念だったが、06年のリーグ優勝を決めた最終節、そのシーズンの天皇杯決勝、そしてG大阪の26試合連続ホーム不敗を阻止した07年8月15日と、“キモ”の試合にはすべて勝っている。やはり、両者の力が、対戦成績に反映した2シーズンだったと言える。
 もう一つ。チームの完成度、という見方もできる。07年までのレッズは、強力な選手を各ポジションに配して勝利にこだわって戦うチームだったが、08年は監督が交代してチーム戦術が固まらないままシーズンが過ぎたし、09年からは戦術を根本的に組み立て直した。一方、G大阪は02年に西野朗監督が就任してから徐々に力をつけ、05年にクラブ初戴冠となるリーグ優勝を果たしてから強豪チームの仲間入りをした。下部組織出身の選手の比重を高めボールポゼッションを完全に浸透させた上で、強力な選手を移籍により獲得。90分、相手を攻め倒していたような時期もあったが、今は相手に主導権を握らせてカウンターを狙う時間帯も作る、という巧妙さも身につけている。
 何もG大阪に勝つことが究極の目標ではないが、このチームとの対戦は、レッズにとって一つの指標となるのかもしれない。

 だけど年の瀬に悔しがってばかりいる必要はない。
 天皇杯でのG大阪との対戦成績はレッズの1勝3敗だが、レッズの1勝は決勝でのもの。内容的には守勢だったが、GK都築を中心とする守備陣の踏ん張りで失点せず、最後に岡野のクロスに合わせた永井のシュートが決まった。勝手に他人の頭の中を想像してはいけないが、07年1月1日のあの試合は西野監督にとって悔しさの残る筆頭なのではないか。
 たしかに現在の成績は、G大阪の方が上だ。主要タイトルの数は今のところ同じだが、今年の天皇杯で抜かれる可能性もある。しかし歴史を見ると、主要タイトルを獲ったのはレッズの方が早いし、Jリーグ勢で初めての天皇杯連覇も、Jリーグと天皇杯の2冠も、リーグ25戦連続ホーム不敗記録も、ACL制覇も、FCWC3位も、全部レッズの方が先に達成し、G大阪が後からついてきているのだ。
 来季以降、また巻き返して、彼らに悔しさを味わわせてあげる楽しみを持ち越すことにする。
(2010年12月28日)
〈EXTRA〉
 ガンバに対して威張る材料ならまだあった。Jリーグ得点王を輩出した数も3回で同じだが、獲得はレッズの方が先(福田正博が95年、エムボマが97年)だし、日本人得点王はレッズだけだ。
 だんだん、子どものケンカみたいになってくるな。
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