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Weps うち明け話
#273
化学反応
 代表戦を見ていて、つい細貝も「ウチの選手」と思ってしまうのは僕だけではないだろう。先発ではないが、途中出場でしっかり役割を果たし、アジアカップ準決勝の韓国戦ではゴールも決めた。しかもPK獲得↑〜GK正面↓と気持ちが乱高下した後のナイスフォロー。競艇のスタートのように助走をつけたエリア進入は誰よりも速かった。結局決勝点にはならなかったが、日本を勝利に導いたことは間違いない。試合後の表情も非常に良かった。
 もちろん大会が終わって、柏木や永田、スピラノビッチと一緒に細貝がレッズに帰って来ることはない。決勝の結果がどうなるかはわからないが、頭を切り替えてJリーグに、レッズに集中しなければならない。それにしても日本をよく知っているオジェックが監督を務めるオーストラリアは一番の強敵だろう。

 先週は、監督会見(18日)、新加入選手会見(19日)、始動(20日)と、新しい本のページをめくるような日々が続き、日曜日からは宮崎で一次キャンプが始まった。
 20日に送られてきた選手一覧をあらためて見て、今季は必然的にかなりチームが変化しそうな感じがする。
 監督が替わったことはもちろんだが、選手の顔ぶれも昨年から大きく変わったと思うからだ。そのうち、マルシオ・リシャルデス、永田充、原一樹、青山隼、小島秀仁の5人が新顔。堤俊輔と野田紘史の2人が期限付き移籍からの復帰。25人のフィールドプレーヤーのうち7人が昨年と違う顔ぶれで、小島以外はJ1での出場経験もある。さらに昨季はほとんど試合に出場しなかった梅崎司と山田直輝が完全復帰することを考え合わせれば、新しいレギュラー争いが活性化するのは必至だ。
 変化=向上、とは限らないから楽観的なことを言う気はない。レギュラーを張っていた阿部、細貝、ポンテがいなくなったことや、GK陣では都築が契約満了となり山岸だけがリーグ戦出場経験を持つという状況は決して好材料とは言えないだろう。だが変化を停滞や低下にしてしまうか、向上あるいは飛躍につなげるかどうかは自分たち次第。誰がいなくなって誰が来た、という足し算、引き算ではなく、掛け算。新しい選手構成、新しい競争による化学反応で戦力アップになることを期待したい。

 細貝の場合は新人でレッズに入って、センターバック、両サイドバックなども務めながら徐々に出場数を増やし、レッズでの最後は本職のボランチでレギュラーを獲得。一昨年からは選手の投票により「代表5人組」に入り、昨季の後半はキャプテンマークを巻くことが多かった。在籍6年。言わば、じっくりと化学反応を自分で起こしてきた選手だ。
 今回の化学反応は未知の物質(選手)、未知の組み合わせによるものが期待される。さしずめ今は宮崎でペトロヴィッチ博士が試験管やフラスコを持って実験の準備をしているところか(ペトロに白衣のイメージはないが)。指宿での二次キャンプでは、実戦形式の練習が増え反応が起こり始めるのかもしれない。
 2月13日、20日、27日と、3回ある研究発表の場に注目だ。
(2011年1月26日)
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