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Weps うち明け話
#277
ダービーの楽しみ
 清水、清水と…。
 NHKさいたま放送局「週刊サッカー王国」でご一緒しているリポーターの工藤むつみさんとサッカーライターの土地将靖さんの横で、大原のクラブハウス、プレスルームの前のベランダからピッチを見回したが、僕の目には見つからなかった。
 工藤さんが「清水君、来てますけど先発じゃないですよ。でもリザーブには入ってます」と教えてくれた。そこで初めてメンバー表を見た。練習試合のときは、両チームの選手全員の名前が書かれた表に、先発とリザーブに分けて○印をつけたものがメンバー表になる。あった。19番、清水慎太郎…。リザーブの欄に○がしてあった。そうすると後半出場か。

 2月21日(月)、前日のプレシーズンマッチで大宮に負けた。この日は練習試合とはいえ、もう負けたくはない。もし負けたらナビスコ杯の決勝トーナメントか天皇杯で当たらない限り、今季の通算成績で勝ち越せなくなってしまう(笑)。まあリーグで2戦2勝するなら文句はないけど。それにしてもペトロヴィッチ監督になってプロとの対外試合は4戦目。そろそろ勝ちが欲しい。珍しく僕はピッチレベルで写真を撮らずに、上から試合を見ることにした。何で勝てないのか。写真を撮りながらではなく、ちゃんと見たかったのだ。

 すでに知っているとおり、試合は3−1でレッズが勝った。ゴールまでの形はなかなか良かった。前半の1点は、岡本の右クロスがDFにクリアされたボールを原がダイレクトでボレーシュート。GKが弾いたところをマゾーラが押し込んだもの。岡本は右サイドでなくボランチに入っていた。
 後半の1点目は、相手のロングパスを左サイドで野田がカット。青山に送り、さらに後半から出場した小島へ。小島から出たグラウンダーの縦パスに高崎がタイミングの良い飛び出しでGKと1対1になり、これを決めた。そして2点目は左サイド自陣から峻希と直輝がパス交換で相手をかわしながら前線へ運び、最後は高崎へ。高崎はフェイントでDFをかわすテクニックも見せてしっかり決めた。
「よし。これで得失点差ゼロ」と言ったら、工藤さんと土地さんは笑っていた。でも僕は本気だった。PSMで、しかも山田の退場があったとはいえ0−3で負けたままではいられない。この練習試合で借りを返しておかないと、金曜日の放送で言うことがなくなってしまう。
と、知らず知らずに熱くなっていたのか、大宮に後半から清水が入っていたのに気がつかなかった。

 ちょっと嫌な展開だった。レッズのDFラインを破る縦パスが通る。そこへ走り込んだ大宮の選手は19番!ありゃ。決められてしまった。しかも清水に。
 聞けば、これが大宮加入以来、プロを相手にした初ゴールだったらしい。
 レッズジュニアユース出身の選手が結果を出したことを喜ぶ気持ちもどこかにあったが、高卒新人にやられたのはいただけない。それに2試合で得失点差がマイナスになってしまったじゃないか!何としても、もう1点取ってタイに持ち込め(アウェイゴール制だと負けだが)。その気持ちに応えてくれたのか、高崎と直輝が大宮ゴール前へ。高崎はさっきのお返しのつもりか最後は直輝に預け、直輝がコースを狙ったナイスシュート。しかしGKに阻まれた。
 最後は大宮のチャンス。またも清水が良い形からシュートを放ったがわずかに外れた。今度は全面的にホッとした。

 後半から右サイドバックに回っていた岡本は、左サイドハーフに入った清水とはマッチアップの機会が多かったはず。それを聞くと「慎太郎の特徴はわかっているので守りやすかったが、1失点目は自分のポジショニングのミスもあった。でも、あそこで落ち着いて決まられるのは、成長していると思う」と岡本。一方の清水は「ゴールを決めるまでは自分のやりたいことができなかったし、2点目のチャンスに決められなかったのも課題」と語った後、「同じサイドに拓也がいたので意識はしていた。拓也は試合中、こちらを見てニヤニヤしていた(笑)」と明かした。

 次は公式戦での対決を見たい。そのことを聞くと岡本は「もちろん。でも、その前に自分が試合に出ないと」と決意を語り、清水は「拓也が試合に出ていたら悔しい気持ちがすると思うので、自分も負けないように頑張る」とライバル意識を隠さなかった。

 レッズの岡本拓也とアルディージャの清水慎太郎。開幕後、大いに試合に絡んでいって、今季のさいたまダービーに、楽しみを増やしてほしい。
(2011年2月25日)
(2011年2月25日)
〈EXTRA〉
 もちろん、みなさんがすでに#262を読んでいることを前提に書きました。
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