Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#283
夜間照明
 今日は4月8日。仏教では釈迦の誕生日とされるが、日本では多くの学校で入学式が行われる日でもある。東北地方の被災地では、今日の入学式どころか3月の卒業式さえ満足に行えなかった学校もあるだろう。人は儀式を行うことで心のケジメがつくもの。それを境に新しい環境に入っていける。だから、どんな形でも式を実現させたいと関係者は奔走しているだろう。一つでも多くの入学式が行われることを望むしかない。
 レッズのユース、ジュニアユースは、震災後2週間練習がオフだった。地震が落ち着いてからも、平日の練習場である与野八王子グラウンドのナイター設備が節電のため使えず、レッズランドもやはり節電で夜の営業を取りやめていたからだ。選手たちはめいめいで自主トレをしていた。中には学校のサッカー部に交じって練習をさせてもらった者もいたという。
 春休みになり、昨日までは毎日午前中にレッズランドで練習していた。しかし今日からは中学校、高校が始まる。
 ユースは、放課後できるだけ早く与野八王子グラウンドに選手たちが来て、照明をつけずに日没まで練習するという。ボールを使わなければ、日が落ちてからもしばらくはできるだろう。学校からの移動時間がそれぞれ違うが、一応17時練習開始を目安にして全員の集まり具合を見て、始めるそうだ。
 ジュニアユースはそうはいかない。中学生の方が早く学校の授業が終わるが、中学生は学校の校則で、一度自宅に帰ってからでないとどこかへ行ってはいけない。だから与野八王子に来るのが17時半とか18時になってしまう。それでは練習にならないので、やむを得ずレッズランドでのナイター練習を行うことにした。これまで平日は月曜と木曜が練習休みだったが、水曜も休みにして火曜と金曜の週に2回だけ、レディースのユース、ジュニアユースと隣り合わせたグラウンドを使って点灯する照明塔の本数を減らし、さらに照明全開ではなく少し暗くして行うという。

 節電が叫ばれている中、サッカーの練習のために夜間照明を使うのはいかがなものか、という声もあるだろう。だが、今のところ計画停電を実施するほど電力需要は供給を上回ってはいない。夜間の練習を全面自粛するよりも、貴重な電力を使って練習するということを選手たちがしっかり自覚することの方が有意義なのではないか、と思う。自宅や学校でのいっそうの節電、節水に努めることはもちろん、通常より厳しい練習環境に置かれることによって逆に、練習したくても全く練習できない環境にある者もいるんだということに思い当たるはずだ。自分たちは不便なのではなく、恵まれているのだと気がつくことが、人間として成長する機会にもなる。さらには与えられた環境の中でいかに集中してベストのトレーングをしていくか、という考え方も身につくだろう。
 日本の復興は5年や10年では終わらないはず。アカデミーの中学生、高校生たちが被災地支援ために、現在できることは限られている。今彼らがやるべきことは、今を精いっぱい生きながら人間としての、日本人としての心を磨き、5年後、10年後、サッカー選手としてでも、そうでなくても、この国を支える人間の1人になることだ。
 オール自粛から生まれるものはあまりない。被災地支援と復興のことを常に頭に置きながらアクティブに生きていくことが、いま大事なのではないだろうか。
(2011年4月8日)

EXTRA
 6日の#282で呼びかけた義援マフラーだが、提案者の予想を超える反響があり、第一弾の生産ラインで可能な500本を注文が上回ったらしい。500本を超えた注文に関しては受け付けるが4月23日に納品されることはない、ということだ。詳細は本人のブログで。

 http://blog.goo.ne.jp/football-people

 僕が代金立替、送料なしの受け渡しで協力します、と呼びかけた分も31本までは予定どおり24日に渡せるが、それを超えた分については、今のところいつになるかわからない(申し込み者には個別にメールした)。せっかく申し込んでいただいたので5月3日(横浜戦)の試合で渡せるようなら引き続き受け付けたいが、5月15日(C大阪戦)や21日(鹿島戦)になってしまうようだと、提案者に直接申し込んだ方が確実に早く手元に届くはずだ。
 それでも構わない。振込み手数料や送料の分を他の支援に回すことにして清尾に働かせてやろう、という人は引き続き喜んで協力しますので、9日の24時までに申し込んでください。

(2011年4月8日)
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