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Weps うち明け話
#284
全力で戦い、全力で支援
 4月10日は、3試合で16対0。レッズユースは高円宮杯U18プレミアリーグの開幕戦で、トップとレディースは練習試合だったけど、同じ日に行われたレッズ関連の試合がすべて完封勝ちというのは、うれしいものだ。
 この日、僕は10時過ぎに埼スタに到着したのだが、まるで公式戦のホームゲームの日のような錯覚に陥った。正門のフェンス周りに座って待つグループ。待機場所を見つけようと歩いていくレプリカを着たカップル、親子連れ。密度の違いはあるが、埼スタが今年初めて赤くなった日だった。みんなレッズに飢えていたんだ。それがトップチームだけでなく、レディースとユースの試合も同じスタジアムで行われたのだから、何と言っていいのか。

 ユースの高円宮杯プレミアリーグはこの4月10日に開幕。レディースユースの関東女子リーグは17日から始まり、Jリーグが24日(レッズは)に再開初戦。なでしこリーグは29日に開幕を迎え、ジュニアユースの関東ユースリーグU15は、ちょっと遅れて5月3日が初戦となる。
 今後、Jリーグはほぼ毎週末に予定されているし、ほかにも他のカテゴリーの試合が週末に何か入っている。
 たとえば6月の第1週を見ると、4日(土)に、レディースはなでしこリーグの日テレ・ベレーザ戦(13時・鴻巣)、ユースは日本クラブユース選手権U18関東予選二次リーグ第2節(詳細未定)が予定されている。
 翌5日(日)はクラブユースU18関東二次リーグ第3節(詳細未定)、ジュニアユースの関東ユースリーグU15第5節三菱養和戦(11時・レッズランド)、レディースユースの関東女子リーグ第7節FCパフ戦(15時15分・レッズランド)が行われ、トップチームは仕切り直しとなったナビスコカップ1回戦第1戦山形戦(15時・埼スタ)の日でもある。また、まだ日程が不明だが、レディースジュニアユース(U14のチーム)は今年から参加する埼玉県女子U15リーグの試合日になる可能性が高い。
 2日間でレッズに所属する全てのカテゴリーの公式戦が行われるのだ。
 もちろん、それらを全部見るのは物理的に不可能だが、結果はすぐに連絡をもらえるし、気持ち的にはレッズファミリーとして一緒に戦っている気分だ。指導者やクラブスタッフは他のカテゴリーの結果を気にしている。もし、この6試合ないし7試合が全部勝利に終わったりしたら、僕も日曜日の夜は幸せいっぱいの気分で過ごせるはずだ。

 気候も良くなってきた。これから毎週のように各カテゴリーの公式戦が始まっていくのは、桜の花の密度が徐々に濃くなっていくときの雰囲気に似ている。サッカー満開を前にして、正直なところワクワクしている。
 だが今年は、それだけでは済まされない。東日本大震災さえなければ、僕と同じような喜びを満喫しているはずの人、実際にプレーしているはずの選手、その家族や応援する人たちが、例年とはまったく違う状況に置かれているという現実がある。現になでしこリーグでは、東京電力マリーゼの大会不参加(自粛)が決まった。
 今年は、そのことを胸に刻みつつ、全力でプレーし、応援し、取材するというシーズンになる。同時に被災地への直接的支援はもちろん、日本全体の復興への関わりを生活から切り離さない、という1年になる。そのためにいつもより不便なこと、我慢することは当然で、いつもにまさる努力を継続していかなくてはならない。その覚悟はある。

 だからこそ、試合では歓喜を味わいたい。レッズだけがすべてのカテゴリーで勝ち続けるなんてことはあり得ないにしても、いつもより喜びの多い内容と結果を期待している。
 プロ野球では東北楽天が開幕2連勝した。1995年の阪神淡路大震災の年はオリックスが優勝した。被災地に本拠地を持つチームが試合にかける気持ちは並々ならぬものがあるに違いない。
 だが勝負は勝負。先日の選抜高校野球大会で東北高校に勝った大垣日大は、やりにくかったかもしれないが、勝敗の前に全力での戦いがあってこそ、見る人を感動させるのだ。
 ベガルタ仙台の再開初戦にも全国の目が集まるだろうし、相手の川崎フロンターレも複雑な気持ちかもしれない。ベガルタの再開ホーム初戦となるレッズだって、図式で見れば「悪役」だろう。僕も心情的には、レッズ戦以外ではベガルタを応援するだろうし、おそらく日本中のJサポーターが同じではないか。自分のところ以外との試合にはぜひベガルタに勝って欲しい、と。
 試合と支援は別だ。「空気読め」と言われようと、勝つために全力で戦うことを怠ってはJリーグを再開する意味がない。レッズがベガルタに勝って仙台の人の多くが喜ぶかと言えばそんなことはないだろうが、良い試合を見せて楽しんでもらうというプロとして第一の仕事がまずある。そして、それと並ぶ大事なこと。自分たちのファン、サポーター・ホームタウンの人々に喜びを与える、という責任も果たさないといけない。その結果、レッズファン・サポーターが、いっそう被災地への支援に力を入れればもっと良い。
 チームもサポーターも、試合は勝つために全力で戦う。そして日本の復興へ向けても全力を尽くす。闘う対象が一つ増えた、そんな今年のレッズでありたい。
(2011年4月15日)

(2011年4月15日)
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