Weps うち明け話
#294
元チームメートの実感
 名古屋戦を見ていて思ったこと。いや、PKの判定についてではなく。

 後半40分ぐらい。名古屋陣内右でスローインから原口が受けて中に行こうとしたときに、闘莉王に当たられ倒れたシーンがある。ところが倒れている原口の方がボールをキープして、闘莉王にボールを渡さずそのまま立ち上がってドリブルを始めた。結局もう一度闘莉王に当たられて倒れ、今度はボールを離してしまったのだが、もしかしたらこのとき闘莉王は「あら、原口ってこんなにしぶとかったか?」と感じたのではないか。たしかに一昨年、レッズでチームメートとしてやっていたときの原口は、そんなに“頑丈”ではなかった。だが、今年の原口は違う。大宮戦の同点ゴールも、執念だけでは決まっていなかっただろう。確実に身体は強くなっている。この場面も闘莉王だから倒されたが、並のDFならそのままキープしていたかもしれない。
 原口だけではない。直輝もそうだ。09年、プロとして契約した年の宮崎キャンプでいきなり闘莉王に削られたころの直輝ではない。相手に当たられて倒れるより、ボールを奪った勢いで相手を倒すことの方が多い。ファウルになるかならないかギリギリのところで、そのままビッグチャンスになることもある。このプレーはユース時代からよく見るが、プロ相手にも勝てる技術、そしてファウルならない見極めが抜群にうまくなってきたように思う。名古屋戦の前半34分ぐらいにケネディに競り勝ったシーンなどは、その典型だが目の前で見ていた闘莉王はどう思っただろう。
 清水戦の峻希にも同じことが言える。清水戦の前半16分に小野伸二とボールを競り合い、奪ったシーンは圧巻だったが、峻希と小野はレッズでチームメートとしての接点がない。それを見た高原がどう思ったか、知りたいものだ。聞けばよかったのだが。
 高原や闘莉王も、レッズにいたときから彼ら3人の能力は認めていただろうから、舐めていたということはないだろう。だが、ずっと試合を見ている僕やサポーターよりも、久しぶりに対戦した高原と闘莉王の方が、彼ら3人の成長ぶりを実感できるのではないだろうか。

 レッズユース出身の選手が試合で活躍するのを見るのはもちろん楽しみなのだが、その彼らが成長していっているのを確認できるのは、もっと楽しい。そして、そのプレーがレッズの勝利につながれば最高の喜びだ。さらに、それがガンバ相手となれば…。
 明日、いっぱい見に来て欲しいなあ。

(2011年7月1日)

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