Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#318
2011シーズンとは・その5
 12月23〜24日ですべての公式大会が終わってしまったので、時間がありそうなものだったが、逆にあきらめていたルーチンワークを片付けていたら、更新最終日になって2本出すことになってしまった。

6.誰が代表でも

 レッズの代表交代がクラブの都合ではなく、株式の過半数を所有する三菱自動車によって人も時期も決められてしまうことが、ときに不合理を招き、サポーターの不満を募らせる遠因になっているのではないか、と前回書いた。
 うなずく人も多いだろうが、誤解のないように付け加えておくが、レッズが苦境から這い上がるために何か新しい方針を立て、時間をかけてそれを遂行しようとすると、それを頓挫させるために三菱自動車が代表を交代する、という意味ではない。賽の河原の鬼じゃあるまいし。
 だが、この時期に代表を交代すると、せっかく緒についた計画のスムーズな遂行に支障をきたすのではないか、という配慮よりも、三菱側の事情を優先されているな、感じるのも事実だ。

 藤口さんが更迭された後、どうすればいいか考えた。僕が考えてもどうにもならないかもしれないが、考えた。日本の政治がどうしたら良くなるかよりも真剣に考えた。
 三菱自動車の持ち株比率を低くする、というのも一つの方法であることは間違いないが、あまり現実的ではない。たとえ所有する株式が半数を割っても筆頭株主であることには変わりがないし、もしそれさえも下回るとなれば、どこが筆頭株主となるのか、が問題になる。
 日本のサッカーを支え、浦和レッズを誕生させてきた三菱へのリスペクトは変わらないし、社会的存在として大きな三菱自動車がレッズの経営に責任を持つ、ということ自体が忌避されるべきことではないと思うのだ。近い将来は変わってくるにしても。

   三菱自動車には専務や常務といった役員を派遣してもらい、クラブの代表たる社長はクラブ自体が決める、というのはどうだろう、と思った。もちろん最終的には三菱の了承が不可欠だが、選び、決定するのはクラブの内部、というのを慣例にしていけば、クラブの方針の継続性は保てるし、三菱自動車とのパイプも変わらない。天下り先として「社長」のポストが減ることになるが、特殊性が強いサッカー運営会社だから、ということで一歩引いてもらえないだろうか、と。
 名案のように思えたが、やはり現実性に欠ける気がした。そしてもっと大事なことがあるのではないか、と。

 よく「誰が出ても同じサッカーができるチーム」と言う。チームの選手全員が戦術を理解し、習熟していれば、人によってスキルや経験に差があっても、誰が試合に出ても同じサッカーができるチーム、というのは理想だ。1人の強烈なFWがいて、彼の力で観客を魅了し、勝っていく、というのも有りかもしれないが、その選手がケガをしたり出場停止になったりすると、ガラリとサッカーが変わってしまう、というのは困りものだ。 
 同様に「監督によって、やるサッカーが大きく変わらない」というのも一つの姿だと思う。それにはクラブとして、サッカーのスタイルをある程度確立されていて、それが誰にも明らかなことが前提条件になる。監督の個性で多少の味付けの違い、色合いの違いはあるだろうが、基本的に「○○のサッカー」というものがあるところは、大きく崩れない。まあ、レッズはそこで停滞しているのだが。日本では、アントラーズ、かつてのヴェルディ、かつてのジュビロ、というところだろうか。

 だったら、誰が代表になろうと変わらないクラブ運営、というのもできるのではないか。
 02年に塚本さんから犬飼さんに代表が替わったときに、オフト改革がすぐに終わらなかったのは、GMの森さんが踏ん張ったからだと思う。だが「森さんだったからできた」で終わってはいけない。誰々をGMに呼んでくればいい、という話ではなく、レッズには92年のクラブ発足から在籍しているスタッフが何人もいるし、そこまで長くなくても、10年以上やっているスタッフは少なくない。浦和レッズが何をやってきて、どういう成功と失敗をしてきたかを彼らは身をもって知っている。何万人ものファン・サポーターの思い(喜怒哀楽すべて)を一番受け止めているのも、監督や選手ではなく彼らのはずだ。
 塚本さんも、代表になる前の1年間、常務時代にずいぶんスタッフと話をしたと聞く。そこで代表として何をすべきか、ということを培っていったのだろう。失礼だが、浦和の人でもなくサッカー出身でもない塚本さんが、02年の改革に踏み切れたのは、その1年があったからだと僕は思っている(だから、サッカー出身ではない代表を「素人」と呼んでこき下ろすのは正しくないと思う)。

 どんな人が代表として新しく就任しても、「浦和レッズというのはこういうクラブです」「これが浦和レッズのやり方です」「いま進めているのはこういう計画です」とクラブスタッフが自信を持って遂行していけばいいのだ。そこに代表個人の個性が多少加わるだろうが、レッズとしての「芯」をクラブスタッフが握って放さなければ、ブレることはない。
 もっと非現実的だ、と言われるかもしれない。たしかに犬飼さん、藤口さんと、サッカー出身者の代表時代が7年間続いた間に、代表の意向だけでクラブが動くことに慣れてしまった気がする。そのこと自体が悪いこととは言わないが、だが、スタッフに「自分がやる」という気概がなければ、クラブは発展しない。
 生活の糧を得るための職場、というだけでなく、浦和レッズを真に愛するスタッフの存在、それによって2012年のクラブが変わっていくことを強く願う。
(2011年12月28日)
EXTRA・1
 実はここで終わらずに「7」もあるのですが、今年の更新終了となってしまいました。2012年の年明けから「2011シーズンとは」の続きをすることになり、申し訳ありません。まあレッズの年明けは1月20日のチーム始動日ということで、さすがにそれまでには終わります。
 なお清風庵ホームページは年末年始も更新があるかもしれません(弱気)。

EXTRA・2
 レッズサポーター望年会は来年2月4日(土)に、さいたま市浦和区の「ときわ会館」(さいたま市役所の隣)で実施します。詳細と参加者募集は1月10日のこのコラムで行います。日程だけ先に調整をお願いします。時間帯はだいたい14時〜19時になると思います(5時間もやりませんよ)。
(2011年12月28日)
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