Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#328
昔から切望していたこと
 昔、といっても8年前までだが、埼玉新聞社でMDPを作っていたころ、切望していたことが2つあった。
 1つは「MDPの編集会議をしたい」というものだ。

 92年からほぼずっと、この仕事を1人でやっていて、忙しいのには慣れていた。サポーターにアルバイトで作業を手伝ってもらった時代があり、それだけでもずいぶん助かっていたが、取材や原稿書きになると、たとえ徹夜をしても1日24時間しか働けないのだし、同じ時間に違う仕事をすることは不可能なのだから、できることは物理的に決まってくる。誰がやっても、これが精いっぱいだろうと思うことをやっていくしかなかった。
 しかし企画を立てたり、内容を吟味したりということに関しては、「これが精いっぱい」なのかどうかわからない。1人でやっていても実現可能な、もっと良い企画があるかもしれないし、内容的にもより良いものを追求できるかもしれない。ただし、それには複数の視点があった方がいい。時間に余裕があるときは、僕はよく一人二役、三役をやって「いや、その見方はどうなのか」「それは違うんじゃないか」と自分で自分に反対意見を出したりした。もちろん頭の中でだ。人前でそんなことをしゃべっていたら気味悪がられる。落語家の稽古じゃありまいし。

 でも忙しいときは時間的にも精神的にも余裕がない。それにスタートしてしまうと完成させることが最優先になってしまい、自分にブレーキをかけること自体をためらってしまう。複数スタッフがいれば、事前の検討でもいろいろな意見が出るだろうし、途中でも待ったをかけたり修正提案をしたりしやすくなるのに。
 2005年に独立して、最初に考えたのは「これで複数で仕事ができるかもしれない」ということだ。新聞社を辞めた方が複数で仕事ができる、というのは変に思うかもしれないが、会社勤めで勝手に社員に仕事を手伝わせたり、スタッフを雇ったりするわけにはいかない。しかし自分の裁量ですべて決められるようになれば、経費さえ許せばそれは可能だ。
 実際に独立して最初の年から、取材や原稿書きといった仕事を、いろんな人に少し手伝ってもらってきた。アルバイト的な関係ではあったが、雑務でなく専門的な仕事を頼んだのは05年が初めてだった。当然、内容についての相談も多少はできた。

 2008年からは清風庵を会社組織にして、正式な社員として高野和也に入ってもらい、僕と同様かそれ以上にMDPを「自分の仕事」ととらえるスタッフができた。2人しかいなくても編集のための会議はきちんとやっているし、途中経過での修正や変更も相談して決めることができる。
 逆に、1人でやっていたときには「やり始めたけど、この企画しんどいから次に回そう(やめちゃおう)」ということができたのだが(自分に甘いので)、そういう安易なことができなくなった。独身(?)時代が長かったので、そのときのペースからすぐには脱却できず、高野に迷惑をかけることもしばしばだが、徐々にそれも少なくなってきた(はずだ)。
 1人では、どんなに頑張ってもせいぜい1.2人分くらいの働きがたまにできるくらいだが、2人いれば2人分の働きはもちろん、うまく連携することで1人でやっていたときの3倍くらいの働きができると思う。量はもちろん質も。

 さて、ここまでは前フリ。
「MDPの編集会議をしたい」という願いは叶えられたが、もう1つの希望はまだ実現していない。
 それは「他媒体の編集者と交流をしたい」というものだ。
 雑誌社に勤務したことのない僕は、仕事のやり方を我流で決めてきた。参考にするのは新聞製作の知識が多かった。だから、他の媒体の編集者はどういうふうに仕事を進めているのか、知りたかったし、自分のやり方も批評して欲しかった。
 何度かJリーグの関係者に「クラブの広報物製作者を集めて交流会を開いてくれないか」と頼んだことがあるが、いまだに何もない。試合で会ったときの立ち話だったし、しょせん、「下請け業者」の希望など聞いている余裕がないのだろうか。個別に親しい編集者と愚痴をこぼし合うことはあるが、ちゃんとした会合ではない。Jリーグが20シーズン目を迎える今年、1回ぐらいやってもらえないものだろうか。1回やって、意味があまりないとなればもう開かなければいいし、その後はJリーグの手を煩わせることなく自主的に連絡を取り合ってやってもいい。ただ最初のきっかけはJリーグに作ってもらいたいものだが、無理ならばレッズの広報部の力を借りて、MDPが言いだしっぺになってやるしかないかな、と思っている。
 もっとも今年は本業以外のイベント的なものを他にも考えているから、実現は難しいかもしれないが。

 しかし、他のクラブの広報媒体製作者との交流は無理でも、レッズ関係の媒体製作者との交流ならすぐにもできる。「月刊浦和レッズマガジン」の島崎英純編集長と「REDS TOMORROW」の矢内由美子編集長とは、毎週のように顔を合わせているし、飲んだことも一再ではない。
 あらためて「座談会」というと照れくさくもあるが、お二人に声を掛けたところ快諾していただいた。
 ということで、清風庵ホームページ「トーク!トーク!トーク!」で、「月刊浦和レッズマガジン」「REDS TOMORROW」「浦和レッズ・オフィシャル・マッチデー・プログラム」の編集長鼎談をお送りしています。


(2012年3月9日)
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