Weps うち明け話
#332
浦和駒場スタジアム
 もう公募期間が終わったからいいだろうな。

 3月31日の川崎戦の前日、クラブからリリースが流れてくる前に、「レッズが駒場のネーミングライツを獲得」と聞いて、ちょっと驚いた。
 驚いたというより「なんで今さら」というのが最初の印象だった。浦和のサッカーの中心地、駒場をレッズがホームスタジアムにしてから20年。95年に2回目の改修と共に名称も「駒場競技場」から「駒場スタジアム」に代わり、埼スタが完成してからは、併用の時期を経てトップチームが使用する回数は減ってきたが、駒場と言えばレッズ、というイメージはすっかり定着している。今さら、浦和レッズが駒場スタジアムの命名権を獲得してどうしようというのか、と思ったのだ。

 しばらくしてFAXとメールでクラブからのリリースが流れてきた。表題を見ると「さいたま市『浦和駒場スタジアム』ネーミングライツ獲得とネーミング公募」とある。内容を読み、さらにスタッフに電話して、なるほど、と自分なりに理解した。
 ふつう、ネーミングライツを獲得した企業は自社名などをそのスタジアムなどに冠して、自社がスポーツの発展に寄与していることをアピールする。スタジアムの所有者である自治体は、それを前提に公募なり、個別折衝なりして命名権を買ってくれる企業を探す。Jリーグのホームスタジアムになっているところでは、その地元クラブの親会社やメーンスポンサーが名乗りを上げるところも少なくない。
 だから今回も駒場スタジアムの命名権を三菱自動車や三菱グループが獲得したというのなら、その流れと同じだが、クラブである浦和レッズが獲得し、さらにその名前を公募するという。

 これはもう、ぶっちゃけて言えば「無関係の企業に買われて、違和感のある名前をつけられてはたまらん」ということだろう。それは、さいたま市側にもレッズ側にもあったはずだ。
 今回の契約金額を見れば、何千万円とか億という単位ではないから、そこそこの企業なら手が届く。うちだって、社長と社員が3年間給料を半額にすれば、「清風庵スタジアム=清スタ」が実現したかもしれないのだ(笑)。そんなことにならないように、さいたま市もレッズに買って欲しかったし、レッズも受けた、というところではないか。

 そして「レッズ」の名を冠するとは限らず、まずは公募だという。駒場スタジアムに思いを持つ人が意見を出し合って、その中から決めるというのも良いと思う。施設命名権の行使にあたり、権利を持つ企業が名前を公募した例というのは全国にどれくらいあるのだろうか?
 公募は4月20日に締め切られ、約1500通の応募があったそうだ。これから選考委員を決め、5月中旬には発表するという。日にこだわるなら、あの日しかないな。11日か17日の大安?違います!

 どういう名称になるか楽しみにしているのはもちろんだが、もしも「浦和駒場スタジアム」に落ち着いたら最高だと思う。
 スタジアムのネーミングライツ販売は時代の流れ。だが駒場スタジアムの歴史を守るためにレッズが命名権を獲得し、検討した結果、新しくついた名前が「浦和駒場スタジアム」。
 粋だなあ。好きだなあ、そういうの。

 公募中に書くと世論誘導になってしまう可能性があるから(そんな影響力がないことは知っているが)、締切まで待ったが、選考委員の判断は大いに誘導したい。
(2012年4月27日)
EXTRA 
 そう言いながら、何やってるんだろう、俺。18日のMDPにも「締切は20日」と書きながら、自分で応募しないなんて。

(2012年4月27日)
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