Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#356
複雑な11月
 11月の声を聞いたとき、1年のうちで最も複雑な気持ちになる。春先の、希望と不安が入り交じった気持ちよりも数層、いろんなものが多く要素として入り込んでくる。
 秋の物悲しさという季節感とは無関係だ。サッカーのシーズンがいわゆる「秋春制」の国にいたら、別の時期にこういう思いになるのだろう。
 そして今年は特にそれぞれの思いが色濃いようだ。


 まず1つ。当然ながら、リーグ戦の最終成績がどうなるか、と気を揉む。

 予想される着地点は毎年違う。今年は一番上は優勝、一番下だと10位台という可能性がある。その間の段階には、ACL出場圏というラインがあるし、クラブ的には賞金圏内というライン(7位以上)も目安になる。

 実は首位との勝点差だと、2008年の方が少ないのだ。今季は第30節現在で、広島と勝点6差だが、08年は同時期に鹿島と勝点3差だったのだから。
 だが、あの年のシーズン後半戦は、上位を維持していたが、そのワクワク感よりもチームがどうなっていくんだろうという不安の方が大きかった。それに比べて今季は、チームがどうなっていくかという期待感がまず先にある。

 勢いをつけるための助走。しかし助走のためのコースがジグザグや後戻りのある道だと勢いはつきにくい。08年がそうだったかどうかはともかく、今季の助走がブレないまっすぐなコースであり、さらにこの後もそのまままっすぐ前に進めばいいということは間違いない。
 だから、やってきたことをどれだけ試合で発揮できるか、それが成績に直結するのが今季だと思う。気を揉むには揉むが、その方向が一つであるということ、そして成績の最高位として優勝もあるということで、ワクワクする気揉み、と言えるかもしれない。


 複雑な気持ちの2つ目は、選手の去就がどうなるか。

 現在登録されている25人、そして期限付き移籍中の選手たちが、来季どこでプレーするのか。現在クラブの担当部署で検討していることだろう。
 それぞれの選手のチームへのこれまでの貢献度と今後の期待値。チームの来季と将来に必要な戦力とバランス。クラブが監督の要請する来季の目標と、そのために監督が必要と考える選手。そして浦和レッズが、それに充てることのできる財力。
 そういう要素を総合して、どういう結論になるのか。新しく獲得する選手はともかく、現在の選手たちの去就はこの1か月で明らかになる。


 そして3つ目は来季および将来の目標と、それを達成するための準備ができるのか。

 ミシャ監督の続投は決まっている。そして今季の当初は、あえて立てていなかった成績での目標を、来季はシーズン前から具体的にすることが求められるだろう。
 その基準は、今季の成績よりも下ということはないはずだから、来季は開幕から大きな期待を背負ってチームは戦うことになる。それは再来年やそれ以降のレッズが居る位置も展望したもののはずだ。

 また、その目標を達成することと直結するのだが、サッカーの内容も今季より高めていくことが求められる。サッカーのスタイルがはっきりしてきただけに、相手も対策を取って来やすくなった今季の後半戦。それをさらに上回っていかなければならない。テストで60点前後しか取れなかった生徒を80点取らせるように引き上げるよりも、80点取っている生徒を90点台が取れるようにする方が難しいはず。

 そういうことが成功するかどうかの下地は、すべて今年中にやらなければならない。トップチームだけでなく、アカデミーの体制や強化、あるいはクラブの機構や人事配置なども関係してくる。これは11月だけで済む話ではないが、本格的に動き出さなくてはいけない時期だ。


 2番目と3番目は、大きな動きとしては見えないかもしれない。逆に見えてはいけないものもある。だが、そういうものが進んでいるということを、残り4試合を戦いながらもはっきり感じ取れるようだとうれしい。
 サポーターが、1番目の闘いに集中するために。
(2012年11月2日)

(2012年11月2日)
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