Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#357
二つの切り替え
 今季のリーグ優勝が、ほぼなくなった。
 レッズが負けて、上位のどちらかが勝つ。11月7日の第31節は、最も悪いパターンの結果になってしまった。

 川崎戦は、立ち上がりから、パススピードが速く、パスを回すタイミングが早い、と感じた。試合開始から攻めの姿勢がはっきり出ていた。相手は守備のときにボールの取りどころが絞りにくかったと思う。そんな中で奪った先制点だった。
 しかし負けた。川崎のレナトの3得点は、彼がスーパーなのか、レッズが不運だったのか。だが運だけでハットトリックはできない。最初の壁に当たったFKがゴールになったことで気分が乗り、力をフルに出せたのだろう。

 だが川崎は前節の神戸戦で3−1から追いつかれている。試合を振り出しに戻せば、レッズの方にチャンスがあると思って後半に臨んだ。そのためには早い時間で追いつきたいところだったが、後半13分という良い時間に1点返した。流れが完全に来た、と思ったのだが、もう1点が取れず、逆に4点目を失った。相手のシュートをカットしたのが絶好の落としになってしまうという不運もあった。

 後半の川崎は、守備を固めてきたが、そこでもレッズに見るべき場面はあった。辛抱強くパスを回しながら、最後はダイレクトパスでラインを破ってゴール前に行く。あるいは原口がドリブルで突破する。今季、人数をかけて守られた試合で、最も多くチャンスを作ったのではないかと思う。だがゴールは1点しか生まれなかった。

 前半のスピード感ある攻撃や、後半の追い上げ、固い守備の崩し。川崎にとって危険な場所でのFKが多かったことも良い攻撃ができていたことの証だ。
 これがシーズン前半なら、負けたけど良い内容だった、と言って終われた。だが川崎戦は31節。負けたけど良い内容であったことは間違いないと思うが、その負けは優勝の可能性を実質ゼロにする負けだった。そこにダメージの大きさがある。このダメージから回復するのに、試合までのインタバルがいつもより3日長いというのは幸運だ。


 川崎戦は、「今季の優勝」という目標に照らせば、大きな敗戦だった。だが気持ちを切り替えれば、今後につながる試合だったと言える。
 どう切り替えるのか。
 一つは今季の成績での目標をACL出場圏であるリーグ3位に置き直す。
 それは他力本願ではなく、残り3試合を全勝すれば必ず達成できるものだ。来季のACL出場というのは、レッズにとって逆に過酷な試練になるかもしれないが、日本の上位チームである証明のACLでの戦いは、かつての輝きを取り戻すものでもあるし、アジア各クラブに「あのレッズが戻ってきたぞ」と表明する機会でもある。

 もう一つはミシャ監督1年目のレッズをどこまで引き上げてシーズンを終わるか、という点で重要だ。
 川崎戦の前半のような試合運びを続け、より多くのゴールに結びつけていくこと。また守備を固めた相手を崩してゴールを奪うこと。これらを残りリーグ3試合とその後の天皇杯で少しでも改善し、さらに新しい側面の芽でも生み出せれば、来季はより高い位置からスタートすることができる。
 そしてシーズン終了までチームが成長を続けるということは、天皇杯で優勝を目指すためにも大事なことだ。

「今季の優勝」のという目標の「優勝」という部分をリーグ3位と天皇杯優勝に切り替える。もう一つは「今季の」という、優勝までの時期を長いスパンに切り替える。10日間のインタバルで、気持ちを二つの面で切り替え、17日の広島戦に臨みたい。


 先月末から始まった今季の「ALL COME TOGETHER!」のテーマは「赤き想い、我が街に響かせろ」だ。クラブのホームページでビジュアルを展開しているが、今日11月9日は19時から浦和駅と北浦和駅でクラブスタッフが普及活動をするらしい。
 レッズのサッカー、と呼べるものを作り上げてきた今季、そのサッカーすなわち赤き想いを、より多くの人に届けたい。そして我が街に響いた赤き想いを、来季はアジアで響かせたい。
(2012年11月9日)
EXTRA
 川崎に対して等々力でのリーグ戦負けがなかったこと。今季は先制すれば負けなかったこと。この二つのデータが同時に崩れてしまったのは少し寂しい。だが、過去のデータはレッズを守る「バリア」にはならない。この日の敗戦を糧に、今後の試合で負けない「バリア」を作っていけばいい。

(2012年11月9日)
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