#958
データ
毎週金曜日、NHKさいたま放送局の「週刊サッカー王国」。ゲストコメンテーターの土地将靖さんと僕が交替でやっている「near the pitch」というコラムコーナーがあるのだが、先週の23日は土地さんの番で「J2で開幕5試合終了時に勝点4以下だったチームがその後どうなっているか」という、大宮の現状に即したシビアなテーマだった。
同じことが浦和レッズにも当てはまるな、と思ったので、僕も「J1で開幕4試合未勝利だったチームの最終結果」を調べてみた。
今週の番組では僕が当番なので、そのテーマを使おうかと思ったが、文字の方がわかりやすそうなので、こちらに書くことにした。
J1が18チーム体制になった2005年以降で調査。2ステージ制だった15年と16年も含めた。
まず、昨季までの13シーズンで、開幕してから4試合勝利がなかったのはのべ48チーム。そのうち19チームが最終的に降格している。また15位でギリギリ残留したチームが6あるので、数字的に言うと開幕4試合未勝利だったチームの半数以上が残留争いを演じ、そのうち8割近くが降格しているということになる。
また、開幕4試合未勝利だったが最終的にリーグ上位にまで戻した例は、05年のレッズ(2分け2敗→2位)、07年の鹿島(2分け2敗→優勝)、10年のG大阪(3分け1敗→2位)、13年の川崎F(2分け2敗→3位)と4回ある。
現在、リーグ戦2分け2敗の浦和レッズを見るとき、このデータはどういう役に立つのか。
同じ2分け2敗だった05年は最終節で優勝の可能性もあった2位だったし、07年の鹿島にいたっては2分け2敗から優勝まで回復しているのだから、まだまだ大丈夫、と気持ちを強くするのか。
あるいは開幕4試合未勝利チームの約4割が降格しているというデータに愕然とするのか。
どちらもある、というのを頭に入れつつ、今季は今季、と切り拓いていくしかない。
月並みなことしか言えないのが悔しいが、データはデータ。現実は現実だ。
開幕4試合未勝利から、ACL出場圏内(プレーオフを含む)に入ったこともあれば、優勝したことさえあるというのは事実だが、過去の事実。今季のレッズの成績を何も保障してはくれない。
一方、降格の可能性が少なくないのは脅威だが、今の時点で目標を優勝から残留に下げる必要は全くない。リーグ戦は優勝か降格か、という二者択一ではないのだ。
「残留争い」「降格」「監督の交代」「選手の途中補強」
レッズは過去にすべて経験してきた。これらのフレーズもタブーにすることなく、目標達成に向けて何が最も適した方策なのかを考えて実行していくしかないだろう。ただベースになるべき、日々の練習をレベル高くやっていく、ということは欠かせない。
残り30試合で勝点70を積み上げていく戦いが4月1日から再開する。
(2018年3月26日)