Weps うち明け話 文:清尾 淳

#960

再開までに

 浦和レッズは今日から大原での練習を再開する。

 ルヴァンカッププレーオフで甲府に負けたのは悔しくてならない。

 J2の甲府に負けた、ということに屈辱を感じる部分もなくはないが、プレーオフの2試合を見る限り、甲府は強かったし、その甲府がいまだJ1昇格プレーオフ圏にも入っていないということは、J2リーグのレベルが決して低くはないということでもあるのではないか。それに上野監督就任以来、連勝を続けてきた状況でルヴァンカッププレーオフを迎えた甲府の力は、J2の今の順位で判断できるものではない。

 悔しい要因は相手どうこうより、レッズにある。

 まず、6月9日(土)の第2戦のような試合を1週間前の第1戦からできていれば、ということ。第1戦で指摘されたのは、総じて言えばボールへの執着心で甲府に劣っていた、ということだった。前半だけでそれがわかったはずなのに後半になってもほとんど改善できなかった印象だが、それで横っ面をひっぱたかれたのか、第2戦ではその部分で1週間前ほど負けてはいなかった。

 もう一つは、第2戦で2-0とした後、落ち着けなかったことだ。「ポンポンと」と表現してもいいくらい順調に得点し、トータル2-2に追い着いた。そこで一気に勝ち越したくなるのは当然だが、失点は禁物、という状況は変わっていないのだ。3点目を狙いながらも、しっかりと兜の緒を締め直さねばならなかった。

 そして第2戦の後半、30分過ぎから選手たちの動きが目に見えて落ちてきたこと。シーズン開幕から指摘されてきた体力不足が、ここでも顔を出した。連戦中、少し改善されたかと思っていたが、これから夏に向けて根本的な対策が必要なようだ。

 シーズンの始動から公式戦開幕まで、だいたい短いときで40日間、長いときで50日間ぐらいか。

 今回のレッズは今日18日(月)がオフ明けで、天皇杯3回戦まで23日間、Jリーグ再開まで30日間ある。キャンプ自体は27日(水)から7月4日(水)までの8日間だが、大原での2部練もキャンプのようなもの。

 5月20日(日)からの短い中断期間の後では、良い中間報告ができなかった。決勝が埼スタで行われる大会から敗退してしまったことは残念この上ないし、公式戦で最大5試合がなくなったわけで、選手たちの出場機会がそれだけ喪失したことになる。今季はリーグ戦残り19試合、および天皇杯1~5試合での出場争いになり、それだけ厳しくなった。それは自らが招いたことだ。選手たち自身が、これからの23日間をどう過ごさなくてはならないかを、よくわかっているだろう。

 男子三日会わざれば刮目せよ、という言葉がある。

 長い中断明けには、我々が目を見張るようなプレーを展開して欲しい。

EXTRA

 プレーオフ敗退の要因に、代表選手の不在を挙げることはしたくない。Jリーグカップと言えば昔から「代表抜き」が特徴の一つだった。

 だが、今季の日程はちょっと不思議なことがある。3月下旬の代表ウイークに試合が入っていなかったことだ。どのチームもグループステージの特に序盤は、リーグ戦とは相当メンバーを変更して戦っていたから、代表選手がいなくてもあまり支障はなかっただろう。それでいて決勝トーナメントの1回戦とも言えるプレーオフは、日本代表招集後に日程が組まれた。3月下旬にグループステージ2試合を組み込んでいたら、5月19日・20日のJリーグ第15節終了前にプレーオフも終わっていただろうに。

 プレーオフを集客が多く見込める土曜日に行うためだったのだろうか。

(2018年6月18日)

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