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Weps うち明け話 #990 

今の楽しみ(2019年11月12日) 

 

 2年前に一度(というか2試合)対戦しただけなので、そのときと比べてアルヒラルが強くなっているのかどうか、僕にはわからない。

 ただ2年前は1-1だったのが今回は0-1だということ。そして2年前も今回も、アルヒラルは強い! と感じたことも間違いない。

 アルヒラルが2年前より強いか弱いか比べても始まらない。第2戦で2点差をつけて勝てばレッズが優勝。1-0以外の1点差勝ち、あるいは引き分け以下ならアルヒラルが優勝、1-0なら延長。レッズが優勝する選択肢は相手より少なくなって帰ってきた、というのは厳然たる事実だ。

 

 問題は第1戦で、攻略の糸口を監督と選手たちがどうとらえたか、ということだ。それが、レッズが2回目の対戦で強いと言われる所以だからだ。

 2年前にもさんざん攻め込まれた右サイドバックのアルブライク(2番)を、第2戦で関根がどう封じて逆に攻め上がるか。2年前にはいなかった右サイドハーフのカニージャもいるので厄介だろうが、そこが勝負のポイントの一つだ。同じくワイドでいうと、橋岡が左サイドバックのアルシャハラニ(12番)との勝負に打ち勝って何本良質のクロスを上げるか。そこもポイントだし、橋岡には後ろからのフィードを空中戦で競り勝って良い位置に落とすという、いつもの役割もある。

また左右のクロスに対して、ゴール前で合わせるのが興梠だけでは厳しい。長澤、ファブリシオのどちらか、そしてクロスを上げる逆サイドの関根または橋岡も、中へ入ってくる必要がある。実際に決めるのが興梠であるにしても、相手DFのケアを分散させないといけない。

 ただ、そうなると相手に押し込まれた状態から奪ってカウンターになったとき、いかに早く攻め上がるかということになるが、そこで相手にボールを奪い返されたら、かえって危険な状態を作ることになる。どの試合でもそうだが、そこも勝負のポイントだ。

 

 一応、優位に立っているアルヒラルが第1戦のように前に出てくるのか、それともレッズにボールを持たせて攻撃のミスを狙ってくるのかはわからない。何となく、後者のような気がするが、いずれにしても攻められることが皆無のはずはない。ACLで10得点している相手のエース、ゴミスは第1戦で鈴木を始めとする守備陣がしっかり抑えたが、第2戦ではそれを前提として、守りから良い守備につなげなくてはならない。ボールを奪ったときに、クリアか攻撃の起点になるのか、素早い判断が守備陣には求められるし、周りの選手はすぐに良いポジションを取らなくてはならない。

 

 何だかサッカーライターのような文章になってしまった。

 何が言いたいかというと、つまりはあの強いアルヒラルに、レッズがどうやって勝つか楽しみでならないのだ。

これが2016年以前だったら、そんな楽天的にはなれなかっただろう。だが2017年のACLを経て、「2回目の対戦で強いレッズ」「逆転のレッズ」のイメージが僕の頭に刷り込まれた。もちろん勝って3度目のACL王者に、という楽しみが最も大きいし、それが大事なのだが、とにかく第1戦とは違う試合を見せてくれるに違いないと思っている。

 そして2017年を待たずして、ずっとあったイメージ。最近Jリーグでは見せてもらっていないが、「ホームで強いレッズ」をまたアジアと世界に見せつけてくれることを。

 

(文:清尾 淳)

 

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