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Weps うち明け話 #997

一足早く(2019年12月16日) 

 

 

 スタンドからは知り合いのカメラマンが何人か見えていたので、最初に近くに来た人に頼んで撮ってもらった。

 レッズのエンブレムをバックに立つ高校生の左腕にはキャプテンマーク。胸には金メダル。両腕には優勝カップ。そして上方のオーロラビジョンには「優勝おめでとう 青森山田高校」の文字。

 

 来季から浦和レッズに加入することが内定している武田英寿選手がキャプテンを務める青森山田高校が、高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2019ファイナルに出場するので12月15日、埼スタに行った。午前中はレッズランドのフットサルコートから泥を撤去する作業を手伝って、足が攣り気味だったので電車でなく車にした。埼スタにチケットで入るのは一昨年のルヴァンカップ決勝(湘南が優勝)以来か。

 

 今とレギュレーションが違うが高円宮杯U-18といえば、2008年にレッズユースが埼スタで優勝したことはまだ記憶に鮮明だ。相手が、そのときと同じ名古屋グランパスU18というのは偶然の一致だが、今季の名古屋U18は、夏のクラブユース選手権とJユースカップの2大会を制している強豪チームだ。面白くなりそうだと期待していたが、その予想どおり2点を先行した青森山田高に名古屋が追いつき、最後は青森山田高が勝ち越す、という展開。試合そのものも非常に白熱した内容だった。

 

 現在の高円宮杯U-18は、プレミアリーグに属している全国のU-18年代トップ20チームが東西に分かれてそれぞれリーグ戦を行い、その1位同士がファイナルとして1試合で優勝を決めるというもの。

 余談だが、このレギュレーションには若干の異議がある。10チームが年間を通してホーム&アウェイのリーグ戦を行うのはチームのレベルアップのためプラスだし、その1位同士で優勝を争うというのも妥当に思える。しかしプレミアリーグの20チームというのはあくまで前年度の上位チームということであり、その年のトップ20チームとはイコールではない。たとえば今年の高校総体決勝には桐光学園と富山第一が、日本クラブユース選手権決勝には名古屋U18とサガン鳥栖U-18が進出したが、このうち名古屋U18を除く3チームはプレミアリーグに入っていないから、高円宮杯に挑戦する資格がない。これでは「U-18年代ナンバーワンを決める」という趣旨には少し合わないような気がするのだ。

 

 話がそれた。

 20チームで優勝を争う高円宮杯なので、東の10チームのエンブレムがスタジアムの北ゴール裏に、西の10チームのそれが南側ゴール裏に飾ってあった。優勝を決めた、青森山田の選手たちが北ゴール付近を通る際に「あ、レッズのエンブレムの前で武田選手を撮りたい!」と思ったが、まさかスタンドから乱入するわけにはいかない。それで知り合いのカメラマンに頼んだというわけだ。

 

 来季から自分のホームスタジアムとなる場所で優勝カップを掲げた武田選手。プロとして活躍する前に、それに慣れておくのも悪くない。実に素晴らしい光景だった。その写真は来季のMDPに掲載したいと思っている。

 駐車場まで歩いていくとき、ふくらはぎは痛かったが、そんなことも吹き飛ぶくらいうれしい1日だった。

 

 あれ? そういえば埼スタから気持ち良く帰るのは久しぶ…(略)

 

(文:清尾 淳)

 

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