コラム

parts

parts

parts

parts

parts

back

parts
商業主義? オリンピック精神?
清尾 淳
 


 2002年の決勝が横浜で、準決勝の1試合が埼玉で行われることが8月6日、正式決定された。これは、もう7月の段階で内示があった問題だから、大騒ぎにはならなかった(埼玉では)。

 でも、7月12日の土屋義彦埼玉県知事の記者会見を思い出すと、恥ずかしくなる。 横浜に決まった唯一の理由とされるのが、入場人員の違い(横浜が7,000人多い)とされて、「商業主義だ」とおっしゃったらしい。あらら。

 98年フランスワールドカップのチケット騒動は、まだ記憶に新しい。1試合しかない決勝のキャパシティーは多ければ多いほどいいに決まっている。万万万が一(言い過ぎか?)、日本が2002年の決勝に進んだとして、その時に埼玉で決勝が行われていたとしたら…。何十万円という闇値がついたチケットをにらみながら、日本中のサポーターが、こう思うだろう。「なんで埼玉なんかでやるんだよ。横浜でやればあと7,000人入れたのに」と。そのときにも「それは商業主義だ」と言うのだろうか。 そして「オリンピック精神に立ち返ってほしい」とも続けられたらしい。あららら。ワールドカップだよ。この方、同じものだと思っていたのかしら。当のオリンピック自身が「オリンピック精神」を無くしているのはともかくとして、違うものの精神に「立ち返れ」とは無茶なことをおっしゃる。

 知事の周りのみなさん。こういうときは、後でちゃんと知事をおいさめ申し上げてくださいね。こんな記者会見が全国に流れて、恥をかくのはわれわれ県民なんですから。

 僕はちゃんと、この場で言ったよっと。

(1999年8月24日)