さいたまと
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COLUMN●コラム


#090
  おばちゃんの本


 餃子のおばちゃんこと吉田マサ子さんが本を出した。タイトルは「浦和レッズに首っ たけ」。

 実は、吉田さんのことは、先日出した拙著「浦和レッズがやめられない」に入れさせてもらおうか、と迷った。もちろん、吉田さんは十二分に「レッズ者」だし、エピソードには事欠かないだろう。しかし、吉田さんのことを書くには本1冊まるまるかかるだろうな、という気がしたのと、「せおさん、あたしね、いま本書いてんの」と吉田さんに言われたこともあって、おまかせした。

 いつ出るんだろうと思っていたら、4月14日のFC東京戦のときにお手製のチラシをいただいたので、18日のMDP177号はみ出しに情報を載せておいた。

 義理堅い人である。翌日電話が掛かってきた。

 「MDP見ました。ありがとうございました」と言って、知り合いのサポーターに託して1冊くれた。ホントに買おうと思っていたんだけど。そして翌朝電話が。

 「どうでした?」そんなに、もらって急に読めないって。すみません。

 しかし、早く感想を聞きたい気持ちはわかる。いそいで読んだ。面白かった。それと、吉田さんのことがよくわかった。自叙伝にありがちな、自慢話臭さがなかった。自慢話のはずなんだが、そういう匂いがしないのは、本人の個性なのだろう。

 おすすめします。吉田さんを好きではない人もいるだろうが、とりあえず立ち読みでもいいから読んでみてほしい。

 ただし、一言だけ。吉田さんが横文字に弱いのは本の中でも言っているけど、95年の3月に青少年宇宙科学館で大野さんと僕が呼びかけて開いたのは「レッズサポーティング・プレーステージ」ではなく「プレステージ」。1stステージ、2ndステージの前にやる、ということで「プレ」なのだ。プレーステーションじゃないんだから。

(2001年5月1日)