さいたまと
ワールドカップ





COLUMN●コラム


#091
  魚心は、お早めに


 地獄でした。
 何がってゴールデン・ウイーク。20年前は新しいカレンダーが届くと、GWの連休具合を見るのが楽しみだった。15年前から少年スポーツを取材するようになって、日曜、祝日が休みではなくなったけど、それでも普通の仕事だった。
 しかしMDPをやるようになってから、カレンダーを見ただけでは何も予定が立たず、1月の末あたりにJリーグの日程の一次案を見せてもらったときに、今年の「地獄度」を覚悟するようになった。今年みたいに3日と6日にホームゲームがあって、おまけに3日の前が29日のアウエーというのは地獄度100パーセント。
 普通でも土曜日にホームゲームがあると、木曜日が最終作業日になるから、水曜にゲームがあるときつい。それがアウエーで大阪や博多だったりすると木曜の朝一で帰ってきても10時を過ぎるから、忙しいのだが、アウエーならまだいい。なぜなら「CURRENT REPORT」「VOICE&OPINION」といった試合の感想的なページを、その前の試合(たいていホーム)で半分以上作っておけるからだ。
 ところが水曜がホームだと、その試合だけで「CURRENT REPORT」と「VOICE&OPINION」を作らなくてはならない。今回(179号)の「CURRENT REPORT」、MDPにしては珍しくスカスカだったでしょう。いやあ大変でした。「TODAY’S SPECIAL」をスポーツ新聞記者のみなさんに協力してもらって助かった部分もあるし。ヒヤヒヤのGWでした。とにかく最後に勝って良かった。
 次は6月20日、23日。地獄度80パーセントかな。

 ところで3日のMDP178号はハーフタイムに約1万部が完売してしまったとのこと。買えなかった人には申し訳ないけど、試合前に売り切れた訳じゃないので、何とか大丈夫かな。
 その178号はファン投票で選ばれた福田が表紙。そして6日の179号はJリーグ250試合出場の井原が表紙だった。6日の試合前、選手がスタジアム入りしてリラックスしているとき、福田が言ってきた。

 「清尾さん、国立のマッチデー完売でしょ」
 「そうだよ」
 「ほらな。今日は、こんなに(手を広げて)余ってるってよ」
 と言う視線の先では、表紙の主が苦笑いしていた。
 「俺を表紙にしたんだから、印税3パーセントちょうだいね。あれ、いくらで売って
るんだっけ」
 「300円」
 「300円の3パーセントっていうと…」
 「9円。1万部だから9万円か」
 「1万?5万部じゃないの?」
 「5万人入って、5万部も売れる訳ないだろう!」
 「弱気だなあ。とにかく印税ちょうだいね」

 こんなに軽口をたたくときの福田は好調。MDPの表紙の選手をからかうのも福田の仕事みたいなものだけど、井原をいじれるのも福田だけだ。この調子なら出れば2点目を決めるかなあ、と思っていたんだけど…。
 ちなみに、MDPの表紙になった選手に、いちいち印税は払いません。さて180号は誰かなあ。永井?田中?ドニゼッチ?復帰予定の阿部もあるなあ…。これだけは僕の特権。どうしても誰かを表紙にしてほしいって?そこはそれ、魚心あれば下心…。ふっふっふ。

(2001年5月7日)