さいたまと
ワールドカップ





COLUMN●コラム


#118
残留決定後

 崖っぷち状態からなかなか脱出できないレッズだが、99年は、年間総合15位にいる時期が長く、勝たないとJ1に残れなかった。今年はもし勝たなくても、セレッソやヴェルディが負けてくれれば結果的には残留が果たせる。それが一昨年との大きな違いだ。


 第10節を終わって総合15位のヴェルディ(勝ち点20)とレッズ(同26)との差は勝ち点6。残り試合数が勝ち点差より多くないと残留は果たせないという海外のデータから考えると、ヴェルディが逆転残留に成功しても、抜かれるのは勝ち点25のマリノスかサンフレッチェということになり、レッズはギリギリセーフなのかもしれない。そんな話も次の節で勝ち点3差になってしまえば、やはり尻に火がついてしまうのだが。
 超楽観的に考えれば、リーグ戦3試合を残してヴェルディとの差が勝ち点9になった場合、レッズのJ1残留が決まる(得失点差はかなりあるから考えない)。つまり次の2試合で勝ち点差をあと3以上広げれば、レッズの残留は決まるのだ。また、このまま勝ち点6差で推移したとしても、残り2試合になった段階で生き残りが決まる。何にしても99年よりは崖の淵から遠いところにいるのだ。


 そんな気休めを言う前に、清水や札幌に勝てる算段をせい!
 いや、その通り。政府の狂牛病安全宣言みたいなことを言うつもりはない。
 今回のテーマは、あと2試合、3試合を残してJ1残留が決まった場合、レッズはどうなるのだろう、ということだ。サポーターは? 監督は? 選手は? そしてフロントは?
 落ちる心配はなくなった。しかし優勝はもちろん、3位以内に入って賞金をもらえる可能性もない。誰かの得点王がかかっている訳でもない。こんなモチベーションのない状態で、残り数試合、何をしたらいいのか。
 クラブが言いそうなことは見えている。「残り試合を勝つことに全力を」「天皇杯に向けて、良いムード作りを」「すべてはシーズンが終わってから」。
 もう、それは通用しない。残留が決まってからのリーグの残り試合にも勝つに越したことはないが、それより来季どうするのかを早めに決めて、教えてくれ。具体的に選手や監督をどうするというのは決まらなくても、このままの体制で行くのかどうか、ぐらいは決まるだろう。もちろんフロントも含めての話だ。
 シーズンの途中で体制云々の話が出ると選手が動揺する?大丈夫。年間15位にさえならなければ、14位も12位も一緒なんだから。それより、たとえば誰かの辞任が発表されるとか、ドラスチックな改革を打ち出した方が、選手の間に緊張感が走って天皇杯を頑張るかもしれないよ。
 10月15日に獲得の報道発表をしたアリソンを、13日にはすでに来日させていたほど用意周到なレッズなんだから、来季のことなんか当然もう考えてるでしょ。

(2001年10月22日)