さいたまと
ワールドカップ


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COLUMN●コラム


#145
ひっかかる言葉

 今年からJリーグが土日分離開催になって(totoの不正防止のために、開催日は おろか開始時間までも統一されるかもしれないって話はどうなったんじゃあ!)、他の チームの試合が生で(たいていテレビだが)見られるようになったのはうれしい。
 ただし、楽あれば苦あり、クロード・チアリ。レッズの試合が日曜に開催されると、 勝っても余韻を楽しむ余裕が少ない。
 4月7日の試合後は、「サポーターグループ合同ホーム開幕記念懇親会」「サポータ ー仲間の大学合格を祝う会」「サポーター仲間の結婚を祝う会」が重なって、泣く泣く 一つに絞り、終わってから去年知り合ったグループの飲み会にかけつけたら、ちょうど 店の前で解散するところだった。
 「まあ、明日仕事だから仕方ないね」とボヤきながら、日曜が試合だとみんな大変だ なあ。応援で疲れた体で明日仕事に行くんだよなあ。勝たないとよけいにつらいなあ。 と人ごとみたいに考えていたら、そっか!俺も仕事だったい!


 試合の次の月曜日というのはいろいろな処理があって結構忙しい。難しい仕事ではな いが、これを早い時間にきちっとやっておかないと、後がしんどいという、料理の下ご しらえみたいなものだ。だからレッズが日曜開催だと、このコラムのネタを考える時間 がない。このコラムも仕事だろうって?うーん、ファジーだなあ。だいたい僕の人生全 体がファジーで、どこまでが仕事でどこからがプライベートって区切りがない。みんな 仕事(に通じること)だし、みんな趣味みたいなものだ。


 という訳で、携帯電話で読んでいる人には申し訳ないくらい長い前フリの後、短い本 題。「ここ最近よく聞く言葉で、ちょっとひっかかるモノ」シリーズ。


 その1
 坪井慶介を評して「うれしい誤算」と言う人がいるが…。
 そりゃあ、あんたにとっては「誤算」かもしれないが、本人やレッズのスカウトにし てみたら誤算でもなんでもないはずだ。年齢的には小野伸二を始めとする98年高卒組 と同じ。鈴木啓太や田中達也やアリソン、エメルソンより上なんだから、大卒新人が即 戦力で活躍しても何の不思議もないだろう。
 ループシュートはみんな「技あり」、新人が活躍したらみんな「うれしい誤算」。そ んな借りてきたような決まり文句はもうやめようよ。

 その2
 オフトマジックって何?
 手品にはタネと仕掛けがあって、それを見せないで結果だけを見せるから不思議なの だ。オフトはレッズを強くするためのタネと仕掛けを隠している訳じゃない。
 正直言ってガンバ戦とサンフレッチェ戦の間にレッズの差はほとんどない。そもそも 、この5試合の負けと引き分け、引き分けと勝ちの間には大きな差はない。あるとすれ ばゴールの枠、数十センチぐらいの差ではないか。特にエメルソンは難しいシュートの方が決まるみたいで…。
 少しずつ着実に強くなる。それを辛抱強く積み重ねる選手と監督、コーチ。その努力 を見ないフリして、結果だけをマジックというのは面白いだろうが、タネと仕掛けを仕 込む過程もしっかり見ようよ。
 今年のヴァンフォーレを「マジック」というのは、まあ分かるけど。


(2002年4月8日)