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COLUMN●コラム


#181
首位

 「試合を決める3点目が取れないなあ」と思っていたら、ヴィッセル戦で前半に3点取っちゃうし。
 「前半3点取ったのはいいが、後半のチャンスに4点目が欲しかったなあ」とつぶやいたら、京都パープルサンガ戦では前半2点、後半2点とバランス良く取ってくれるし。
 「今までは下のチームにばかり勝っていたけど、これから1stステージで負けた相手と当たるからなあ」と心配していたら、京都に今季タイの好スコアで勝つし。


 なんだか、思ったことがすべて良い方に転がっていくなあ、と京都からの帰りに考えた。もしかして、僕って超能力者?じゃあ、これはどうだ。
 1・名古屋に99年の1-8の借りを返す。それ以上の大差で勝ってほしい。
 2・23日のリーグ戦で、まず鹿島に2ndステージ優勝をあきらめさせ、続いてナビスコ杯では彼ら(含むジーコ)の目の前で(決勝だから当たり前だが)優勝を決めてほしい。
 3・リーグ戦では、Jリーグ初の「ステージ負けなし優勝」を果たしてほしい(柏に「あの浦和と引き分けたチーム」の称号を与えるのはシャクだが)。
 そのほか、連勝記録更新とか、エメルソンとトゥットの猛チャージで得点ランクの1・2位独占とか、FC東京に今までの借りに利子を付けて返すとか、天皇杯とか、願えば実現するというなら、いくらでも出てくる。


 浮かれ過ぎ?
 いいじゃん。オフトがこんなことを考えていたとしたら心配になってくるけど、監督は極めて冷静。選手はどうかというと、オフトイズムが浸透してきたのか、これまた冷静。これじゃ、優勝したときにも「まだ本当に強いチームになった訳じゃない」とか言って、あまり喜ばないんじゃないかと思うほどだ。
 だからサポーターは思いっ切り浮かれていい。もし駄目だったときにショックが大きくなるから、あまり浮かれない方がいい、なんて言う人もいるけど、僕は違う。一番楽しいときに楽しまなくてどうする?駄目だったときの悔しさなんて、実は同じだよ。こんな想像、今までしたくたってできなかったじゃないか。われわれのバカ騒ぎがチームに伝染することは絶対にないはずだ。福田も言ってたよ。
 「選手は誰も自分たちがものすごく強くなったなんて考えていないから、このまま優勝できるなんて思っていない。今年はチームに力を付けていくシーズンだから。でも、サポーターはそういうこと(優勝)を考えていいと思うよ」。
 この控えめなコメントで、僕はまた「負けないレッズ」を確信したね。


 西京極で「思わぬ」首位が転がり込んできたとき、僕は去年テレビで見た一場面を思い出した。それは阪神タイガースが4月だか5月に、セ・リーグの首位に立ったときの街頭インタビューだ。コテコテの大阪のおばちゃんがこう言ってた。「まだ首位は早い思うとったけど、強いんやからしゃあない」。
 でも昨シーズン、結果として阪神は優勝できなかったどころか最下位だった。でも、おばちゃんの誇らしげなコメントは、あの時点では間違っていなかった。本人もたぶん恥ずかしがってなんかいないと思う(そんなタイプの人じゃなかったこともあるが)。
 だから僕もこう言う。
 「第8節で首位はまだ早いけど、仕方ないじゃん。上にいたはずの磐田が勝手にコケちゃったんだから。レッズは負けないんだから、周りが負けたらそうなるよ」と。


 結末は去年の阪神とは違うはずだ。だってレッズはまだ成長中なんだから。


(2002年10月15日)