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COLUMN●コラム


#208
増刊号


 去年の秋にも書いたけれど、MDPには通常号のほかに、「SPECIAL ISUUE=特別号」と「EXTRA=増刊号」がある。
 特別号は公式戦ホームゲーム以外の試合で出すもの。例をあげると去年のナビスコ杯決勝とかマンチェスター・ユナイテッドとのプレシーズンマッチとか。増刊号は、試合とは無関係に出すもの。だいたいがシーズンオフに出る。今年も2月の末に増刊号の発行を予定している。


 増刊号が最初に出たのは94年の12月。富山で行われたJリーグの最終戦で横浜Mに惨敗し、それまでに積もったサポーターの不満、不信が爆発した年だった。そうじゃないだろ。それじゃ終わっちゃうだろ。クラブとサポーターの絆がこんなことで切れるなんてもったいないだろ。そういう思いでクラブに増刊号の発行を提案した。内容はサポーターの声を満載。それに対してクラブの考えを表明する、というものだった。
 次の発行は2000年1月。J2の年、クラブの考えを広くサポーターに知ってもらい、結束して戦うために製作した。これまで抜け落ちていたリーグ最終戦と天皇杯の記録も載せた。知り合いの記者から「お詫びの書」ですか?と聞かれ、「決意の書」としてもらったときだ。
 この増刊号の発行を機に僕はクラブに提案した。
「前に出したのが“富山の乱”の後。今回がJ2降格の後。何だか、悪かったシーズンの後始末に出してるみたいですね。“非常時”だけではなく“平時”にも出しましょうよ。天皇杯の記録や総括も毎回必要なんだから」
 レッズは毎年シーズンオフに、前年の記録としての「イヤーブック」と、当年の選手名鑑的な「ハンドブック」を出している。この2アイテムとやや重なるところはあるが、よりサポーターの声と要望に沿ったものをタイムリーに、しかも広く行き渡るように出すということでクラブも毎年の発行に踏み切った。
 2000年と2001年はレッズフェスタのときに来場者に無料配布した。しかしレッズフェスタでは時期的に早過ぎて、シーズンの方針について十分語れないし、選手のコメントも取れない。
 フロントと現場の指導体制が一新された02年は、クラブの代表、GM、監督のコメントを掘り下げ、選手の決意も極力大勢から集めて、「今年、レッズはこう戦う」という色を強く出した。その分、サポーターのコメントはなくなったが、反映できるものは取材のときに役立てた。発行日は開幕の2週間前。レッドボルテージと郵送による配布に切り替えた。「浦和レッズを語る会」の事前資料として使うことを考えた。


 今年の増刊号については、2月22日発行を予定している。昨年に続き、シーズン開幕の2週間前だ。昨年のレッズフェスタで「MDPの増刊号は?」という問い合わせが多くあったが、今年もフェスタでは配られないので、ご注意を。
 配布方法、料金などは未確定だが、去年通りと考えてもらっていいと思う。つまり料金は無料。レッドボルテージで配布。郵送による取り寄せは送料負担が必要。定期郵送購読者には自動的に送られる、など。決まり次第、クラブのHPで告知される。
 肝心の内容だが、昨年の総括を踏まえた今季の方針、ということになるだろう。当たり前のようだが、考えてみればこの増刊号を毎年発行してから4年目。前年と同じ人物が監督をやるのは初めてだ。毎年「一から」だったこれまでと違い、突っ込んだものになると思う。
 おそらく「投書欄」的なスペースは取れないと思うが、みなさんの意見は僕を通じて代表、GM、監督、選手の取材に反映されるはずなので、何かあれば送ってほしい。1月28日ごろがリミットだと思う。

 送り先は、サイトへの「ご意見・ご感想」ではなく、直接MDP編集室へ。
 ・〒336-0012 さいたま市岸町6-5-22-101 埼玉新聞社
 ・FAX 048-823-8559
 ・HAG03546@nifty.ne.jp


 2000年は、選手の経験を別にしてチームとしての蓄積が何もなかったシーズンだと今でも思っている。しかしチーム以外では残っているものも少なくない。中でも、このMDP増刊号と「語る会」、そしてサポーターの記憶は今に十分生きている。

(2003年1月6日)