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COLUMN●コラム


#210
28人


 石井俊也が仙台に移籍することになり、これで今季のレッズは今のところ新人、移籍選手6人を加えても28人という陣容になる。今後さらに新人や移籍選手が増えてもせいぜい30人だろうから、かつては在籍50人を数えたことを思えば非常に少なく感じる。
 28人のうちGKが5人だからフィールドプレーヤーは23人。大丈夫かいな、これで、と思わないでもない。でも去年のデータを見ると、一度でも公式戦に出場した選手はフィールドで21人。控えに入っただけの選手(河合竜二、池田学)を加えても23人で、ぴったり同じなのだ。
 層の厚さ、というのは当然選手の数にかかわってくるが、ただ人数が多いというだけでは層が厚いとはいえず、問題はトップでプレーできる選手が何人いるかということだろう。そういう観点からフィールドプレーヤーを見ると、今季の23人のうち、これまで一度もトップに出場したことがないのは、新人の2人を加えて6人。17人は出場経験があるということだから、とりあえずは間に合うだろう。といってもその17人のうちには怪我明けの城定と山瀬、出場経験1試合だけの三上と長谷部も含んでいるから、やはりギリギリはギリギリだ。去年の鹿島のように選手のやりくりが大変な時期が訪れるかもしれない。そうは言っても鹿島ぐらい強ければ文句はないけど。


 思えばフロントの体制が新しくなって1年。今のスタッフは2002シーズンのチーム編成にはほとんど関わっていない。特にシーズン前には。そういう意味では、新フロントが1年間の戦いを経験して、今季と将来を見据えた選手構成をするのはこれが初めてといえる。さらに監督が2年目を迎えるのだから、指揮官の意向を反映したものにできるのも99年以来だ。
 去年は選手の陣容が決まってからオフと監督が招聘され、「とにかく今いる選手で戦ってみて、その結果補強を考える」ということだった。それで獲得したのはゼリッチ1人。じゃあ現有戦力でほぼ十分と判断したのか、と思うとシーズン中からどんどん放出。そしてこの人数。これが少なすぎるのかちょうど良いのかは、まだわからない。シーズン中の経過と結果で判断するしかないからだ。
 言える事は、フロントにも監督にもだんだん言い訳が許されなくなってきた、ということ。選手の移籍は相手があることだから、監督のリクエストやクラブの意向通りに進むとは限らない。それはわかっているが、少なくとも2002年よりレベルアップした陣容になっているはずなのだから、それは試合内容や成績に反映されなければならない。


 プレッシャーをかけているのではない。期待している。
 山瀬はいつから百パーセントでプレーできるのか。エメルソンとエジムンドは昨年のオールスターで見せたコンビネーションを発揮できるのか。エジムンドが二列目だとしたら、もう一人のFWは永井か田中か、はたまた千島がポジションを奪うのか。GKは都築と山岸の出番争いに、奮起する西部が絡んで、誰が出場するのか。2年目の坪井は取材攻勢、急上昇する人気につぶされず、さらにレベルアップできるか。昨年トップに絡みそうで絡まなかった長谷部は今年こそのし上ってくるのか。天皇杯でまずまずのデビューを果たした三上はトップに定着するのか。そうすると右サイドは平川と山田が激しく争うのか。それともどちらかが別のポジションを務めるのか。大卒新人の小林は噂どおり即戦力なのか。そもそも今季はどういうシステムなのか。
 今週の木曜日、23日にいよいよ練習が始まる。


(2003年1月20日)