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COLUMN●コラム

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#314
落としどころ


 4月18日の大分戦の話の続き。


 試合が進むにつれ、落としどころはどこだろう、と気になった。何かを仕掛けたら、収拾も考えなくてはいけない。呼びかけのチラシには「試合の中でチームとしてわれわれに大事なものを見せてくれたときには、自然と声援に変わって行くでしょう。その時はどこにも負けない声援を見せつけよう」とあった。落としどころを考えていることはわかった。だが、いつだ?1点取ったときか?2点か?前半無失点で終わればいいのか?後半にも点を取ったときか?試合が勝利で終わったときか?…
 結局「どこにも負けない声援」は生まれずに終わった。いくつかの場所から「自然と」声は聞こえたが、いつものスタンドが一体となったレッズの応援はついに出ずに終わった。
 もしかして、4-0のまま終わっていれば、そこに落としどころがあったのかもしれない。本来誰もしたくない「静観」を解いて、90分分(「きゅうじゅっぷんぶん」と読む)の応援を短い時間で繰り広げていたかもしれない。だが、1点の取られ方が良くなかった。勝ち点3と得失点差3は消えないが、勝った喜びをなくしてしまうような失点の形だった。サポーターが一番見たくなかった「消極性」と「気の緩み」を、最後の最後に見てしまった。無失点試合をフイにした怒りとともに、「一緒に喜ぼうと思ってたのに、できなくなっちゃったじゃないか!」という無念さがにじみ出たブーイングを聞いた。


 結局、落としどころのないまま試合は終わった。結果から見れば4-1の大勝だったが、駒場は「静観」のまま終わった。どうするんだ?これから。日本平でも広島でも「静観」を続けるのか?アウェーじゃやらない?じゃ5月5日の埼スタか?少なくとも何も聞かされない選手や、多くのサポーターはそう思うかもしれない。まったく、あの1点さえなければ…。


 僕自身、今後のことでちょっと途方にくれていたが、写真を整理していて発見した。落としどころはあった。選手が入場するときに東側のクルヴァに出された「PRIDE OF URAWA」のダンマク。あれが選手たちへのメッセージだった。「俺たちは応援をボイコットしているわけじゃない。ただ選手のプライドをはっきりした形で見たいんだ」という(違っているかもしれないが、僕はそう解釈した)。そして試合中、バックスタンドの2階に張られたそのダンマク。選手とサポーターが一緒にこの言葉を守り続けていくことに変わりはない、というメッセージだと受け取った(僕はね)。落としどころは最初からあった。派手ではなかったが。


 開幕6節(+ナビスコ1試合)にして、「静観」するのは早くないか?
 「呼びかけた」にしちゃ、あちこちから「命令された」と話が来てるのは、やり方が強引すぎないか? 
 そもそも今季こういう状況になるのは去年のうちから覚悟してたんじゃないか?


 ほかにも、いろいろと言いたいことはある。だが一番気になった「落としどころ」を、僕の中では見つけたことを報告しておきたかった。

(2004年4月22日)