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#329
国際試合



 #328で書き忘れたこと。追伸にしようかと思ったけど、タイトルは違うものにしたいのであらためて。


 シーズン中の親善試合というのは、相手の有名度以外では盛り上がるのが難しいのではないか。レッズで言うと、リーグでは1stステージ終盤近くまでわずかでも優勝の可能性を残し、最終節で3位の座をめぐってリーグ未勝利の相手と死闘(?脚本=レフェリー)を演じた。ナビスコでは2連続逆転勝ちで決勝トーナメント進出を決めた。そういう真剣勝負の後だということ。
 プレーする選手にとっては、向こうのチームもオフシーズンの「地方巡業」とは言え、そんなに極端に手を抜くわけではないだろうから(特にパスワークとか個人技とか、ケガの危険がないようなプレーは見せてくれるはずだ)、レベルの高い相手、タイプの違う相手とやるのはプラスになる。またふだん出番の少ない選手にとっては、サテライトリーグとは比べ物にならないほどアピールできる場になる。それに親善試合といっても始まってしまえば、120%(by田中達也)は出さなくても100%近くは頑張るはずだ。
 しかしサポーターにとっては、主要タイトルに何も関係ない試合は、闘うモチベーションが下がってしまうのは仕方がない。だからヨーロッパの有名選手で人を呼ぶ、試合の注目度を高める、ということになるのだと思う。


 じゃあ、シーズン前はどうか。本当の意味でのプレシーズンマッチ。同じ親善試合でも、オフの間、レッズの試合に飢えていたサポーターが多いし、多かれ少なかれ新しくなったチームを確認したいだろうから、レッズに対する「楽しみ度」は高い。
 だけど肝心のチームがまだ仕上がっていない場合が多い。テストマッチ的な意味合いもあるから、選手も自信を持ってプレーできないかもしれない(今年の甲府戦がそうだった)。シーズンの関係でそもそも難しいが、シーズン前に海外の強豪チームを招聘しても、やはりサポーターの気分はガチンコにならない。


 それじゃヨーロッパや南米のチーム相手にサポーターが燃える機会はないのか?
 だから優勝するしかないんだ。リーグチャンピオンか天皇杯覇者になれば翌年のAFCチャンピオンズリーグに出られる。リーグチャンピオンはA3という準公式大会もある。まあ、A3の出場権はナビスコカップのウィナーに与えてはどうか、と思うけどね。ナビスコカップは現在の天皇杯よりも上の大会だと思うから。代表選手がいない云々あるが、多くの外国籍選手の気持ちがクリスマスに飛び、日本人選手が契約更改問題を抱えながら戦う天皇杯よりも、心身ともにリーグ戦と同じコンディションで臨むナビスコカップの方が、権威においてはともかく、実質的な価値では高いはずだ。まあ天皇杯のやり方の方を一考すべきなんだけど。
 話がそれた。AFCチャンピオンズリーグに出れば、ナビスコの予選リーグが免除されるかもしれない…、というのは皮肉たっぷりの冗談で、アジアの上位チームと真剣勝負ができる。ホーム&アウェーだから、相手のタイプ、スタジアムの雰囲気、気候…、いろいろなものが日本とはまったく違った国で、真剣勝負ができるのだ。
 そうなったときに、どれだけ多くのレッズサポーターが韓国や中国や東南アジアに応援に行くんだろうか。現地でどんな応援を展開するのだろうか。楽しみでならない。アジア各国のサッカーファンの日本のクラブサポーター(代表サポーターではなく)に対する認識を改めさせるに違いない。レッズが出た場合、マスコミの取り上げ方もこれまでと違ってくるのではないか。
 そしてアジアチャンピオンになったら。世界クラブチャンピオン大会(あれば)への出場権が得られるのだ。ヨーロッパや南米の(本当の)強豪チームと真剣勝負ができるのだ。大枚をはたいて日本に呼ばなくても。


 そういう国際試合を一度でいいから経験したいものだ。きっと一度味わったら「あと一回でいいから」と言うんだろうけど…。

(2004年7月29日)

<追伸>
 最近よく聞かれるから、この場で言っておこう。僕はマンチェスターでやる「ボーダフォンカップ」には行きません。行かれる方、お土産よろしくお願いします。あ、同じもの何冊ももらっても困るから、大会プログラム以外ね。