頭を遅めの正月休みにしている…訳でもないが、今回はあまりサッカーの話が出てこないので、それを期待している人は読まない方がいいかも。
僕は高校時代、毎朝6時35分発のバスに乗って通学していた。始発から2本目だったと思う。塩屋発6時35分のバスで大聖寺駅まで行き、大聖寺発6時58分の北陸本線下り快速列車に乗って小松駅に7時18分に着く。そこからゆっくり歩いて7時40分ころ高校に到着する。8時25分が登校のリミットだったから、僕が教室に入ったころ学校にはほとんど生徒がいなかった。
別に早朝登校が好きだった訳ではなく、それしか登校時間に間に合う方法がなかったからだ。6時35分のバスを逃すと、結局8時15分小松駅着の列車になってしまい、10分間走らなければ遅刻してしまう。大聖寺駅で20分くらい待って中学時代の友人たちと同じ列車に乗り、学校に8時過ぎに着く方法もあったが、そのころは時間をつぶす方法に思い当たらなかったし、人が少ない早朝の学校も嫌いではなかった。
という訳で高校3年間は、何時に寝ても翌朝は6時に起きる(起こされる)生活だったので、卒業してからはその反動もあって、超が付くねぼすけになった。会社勤めをしてからもそうだった。起きなければいけない時間に起きるようになったのは少年スポーツの仕事を始めて、朝8時から熊谷で開会式、なんてことが毎週のようにある生活になってからだ。それでも用事がなければ早起きしなかった。
朝、目が覚めて極端に早くなければ起きて仕事を始めてしまうようになったのは、いつごろからだろうか。以前から仕事は常に山積みだったが、会社に行く行かないにかかわらず、どこでも仕事ができてしまうようになったのは…。
そう記憶をたどっていくと、何のことはない。2003年から、MDPの写真を原則デジタルにし、軽いパソコンを持ち歩くようになった。そのときからだ。鞄に当面する資料などを入れておけば、電源さえ補充できれば自宅だろうと大原だろうとファミレスだろうと、必要なときに仕事ができるようになった。だから何かのはずみで朝の5時とか6時に起きてしまったら、1~2時間の二度寝をするよりも仕事をするようになったのだ。
待てよ、これって歳取ると朝早く目が覚めるようになる、というやつか?と思ったのも事実だが、それには敢えて触れない。自分に「習慣だから」と言い聞かせながら5時に目を覚ましている。12時に寝ようが、1時2時になろうが、だいたいそのころ目が覚めるのだから、体内時計が正確なのだろう。
さて本題はここから(長えー!)
去年の2月、フリーになってから仕事場を自宅以外に設けたり、最近は事務所なんぞを開いたりしている(事務所と仕事場とどう違うの?という突っ込みはもう少し待ってくれ)。そのせいもあって、始発バスに乗ることが増えた。何せ「(午前)5時から男」だから。
残念ながら緑区松木の自宅近辺から始発バスに乗っても、東浦和からの始発電車には乗れない。が、早い電車で「通勤」することは間違いない。武蔵浦和までの二駅だけど。
早い電車に乗ると思い出すのが、2003年の11月3日、北浦和から午前4時37分の京浜東北線始発に乗ったときのことだ。何をどう思い出すかは、前作「MDPはみ出し話」#282-3を参照してほしい。
今年の1月4日。というと僕が今年、初めてまともに迎えた朝だ。だって1月1日は普通ではなかったし、2日はまだ酒が残る頭でマリッチとのお別れに大原に行ったし(酒気帯び運転になるアルコール量はすでに下回ってました。たぶん)、3日は石川の実家から小松空港に向かってたし。
天皇杯に優勝してから初めて普通の生活っぽく迎えた朝。東浦和からの早朝電車に乗った。乗客の年齢層は比較的高い。30代は若い方。40代、50代がほとんどだった。そこで、武蔵浦和までの7分間に、僕が考えたこと。
「いま俺が“WE ARE REDS!”って言ったら、唱和する奴、何人いるかな…」。
もちろん僕は常識人だから、いきなり車両で大声を上げるなんて有り得ない。隣の人に聞こえるぐらいに“WE ARE REDS!”と念仏のように唱えたら、周りにいる10人のうち1人ぐらいは「ピクッ」として“WE ARE REDS!”と言ってしまうのではないか。そしたらまたその隣に、「あらっ!」と驚いて“WE ARE REDS!”と言いながら周りを見回す奴がいたりして…。
結局、度胸が羞恥心に勝てなかった僕は、そのまま武蔵浦和で降りた。だけど歩きながらこう思った。
「レッズサポーターの年齢層は幅広いが、一番多いのは20代、30代だろう。あと20年たったら彼ら(彼女ら)は40代、50代か。そのころの天皇杯で優勝したら、最初の出勤電車(たいていは4日か5日)で、“WE ARE REDS!”って言ったらどうだろう。だんだん大きくならないかな…」。
ナビスコやリーグ優勝でも考えられなくはないが、天皇杯だと「優勝後の初出勤」というシチュエーションがある。それを“WE ARE REDS!”で祝う、というのは何だかとっても魅力的じゃないか。 |