もうシドニー話はタイミングを逃してしまったので、一言だけ。
なんだか知らないが、シドニーのメディアは、「金持ちレッズ」というスタンスでいたようだった。新聞にもそんな記事が載っていたし、試合前日の監督記者会見でも、オジェックに対し「浦和はアジアで一番の金持ちクラブだが」という質問があった。
だから何だよ?それが悪いのか?石油王のポケットマネーでクラブを運営している訳じゃなく(それが悪いということでもないが)、みんなサポーターが買うチケットとグッズの売り上げ、そして多くのファンを意識したスポンサーからの収入だぞ、と思っていたが、そんな僕の低レベルな反発よりも、オジェックがちゃんと答えてくれた。
まず「お金で成功は買えない」とピシャリ。(収入の多くは)「素晴らしいスタジアムがあり、毎回応援してくれる多くのサポーターがいるから」とサポーターに支えられたクラブであることを強調。そして「サッカーを日本でナンバーワンのスポーツにしようと支えてくれている人たちがいるから、成功しているのだろう」とまとめてくれた。
そうか、ナンバーワンか。
いまの日本でナンバーワンスポーツと言えば、やはり野球なんだろうか。何をもって基準にすればいいのかわからないが、たとえば試合の延べ観戦者数、マスコミの扱い、競技人口(埼玉県や静岡県は別だろうが)などで見れば、間違いなく野球が一番の人気スポーツだ。
今まで、浦和レッズを日本で一番にしたいとは思ってきたが、サッカーを日本でナンバーワンにしようとは正直言ってあまり考えたことがなかった。だけど、これからはそういうことも念頭に置いてやっていった方がいいのだろう。
今回のシドニー戦で勝ち点1をもぎ取って帰ってきたことが、どれだけ大きな出来事なのか。レッズサポーターがACLのアウェイ戦としては過去と比べ物にならないくらい大勢現地に駆けつけてチームを応援したことが、それにどう関わっているのか。サッカーに関心のない人たちにも知ってもらいたいと思うからだ。そのためにはレッズだけでなく、サッカー自体を日本の中で押し上げていかないと。
今回、僕はシドニーにいたから見てはいないけど、21日の深夜のスポーツニュースでは取り上げられたようなので、それは良かった。でも週一の特集番組では中継局以外はやらなかったように思う。別に「天晴れ!」が欲しい訳じゃないけどさ。
日本のサッカークラブがアジアで勝ち抜いて世界へ行けるかどうか、という大会。
その結果を報道することの価値がもっと高くなれば、権利の問題などをクリアしても流してくれるようになるのではないだろうか。
もっとも、会社を休むときに「レッズの応援でシドニーへ」とは言いにくい人にとっては、あまり有名にならない方がいいのかもしれないけど。 |